別マーアーカイブ

トップ > 別マー特集 :待望の数秘術、大特集号! マーマーな裏話ッ☆ > 06 読者のみなさんへたいせつなおてがみ 『マーマーマガジン』と寄付のはなし

Special Issue 別マー特集

更新日 2012/09/14

メニュー

読者のみなさんへたいせつなおてがみ 『マーマーマガジン』と寄付のはなし

『マーマーマガジン』では、版元移管にともない、「売り上げ」からではなく「広告費」から寄付をさせていただくことになりました。それとともに、雑誌と広告の関係についての、『マーマーマガジン』の考えかたについても、少しふれさせていただきました。お読みいただけますとさいわいです。 文=服部みれい(本誌編集長)

関わる人すべてに「なにかいいこと」を

『マーマーマガジン』を立ち上げるときに、
オーガニックの商品を売っている
ビジネスマンの方々の姿勢を
非常に参考にさせていただいていました。
それは、関わっている人すべてに
「なにかいいこと」がある、というものです。

ビジネス用語でいうと「Win-Win」というのでしょうか。

たとえば、あるオーガニック関連の商品を輸入する
商社に勤めている方は、
「この職について、まったくストレスがない」
といっていました。
「なぜならば、商品それ自体に、後ろめたいところがひとつもないから。
だから、常に誇らしい気持ちで売れるのだ」
また、
「オーガニックの商品は、『必ずほしい』という人がいる。
だから、一般の商品のように、『売ろう売ろう』としゃかりきにならなくても
よく売れる。それもストレスがない理由だと思う」
とも。

また、わたしがとても尊敬している方で、
オーガニックの化粧品をつくり、売っている方がいるのですが、
海外の荒れた土地をオーガニックの畑に復活させ、
ラベルの印刷は障害をもつ人たちが働く印刷会社で刷り、
そして製品はオーガニックだから人にも地球にもやさしい―ー。
と、そんなお仕事をなさっている様子を
目の当たりにしました。

オーガニックの世界は、
「Win-Win」どころか、「Win-Win-Win-Win」くらい、
みんなが「よかったねー」となるシステムをもつことができます。

わたしが『マーマーマガジン』を立ち上げるときに、
雑誌の発刊も、そうした構造を内包していることが
「サステナブルだ」という気持ちをもっていました。

それは、サステナブルに生きる知恵として

もうひとつ、
ネイティブアメリカンのおはなしを聞いたことも
きっかけのひとつです。
「何か獲物をとったら、そこに
とうもろこしを植える」
得た分は、きちんと地球に恩返しする、という感覚です。

わたしも働きはじめてから、
ある人生の先輩に、
「収入の1/10を、社会に還元するように」
と教わってきました。
その考えの大本が何なのかは
よく知らないのですが、
直感で、何かそれは、まわりにとってもいいし、
自分にとってもいいアイデアのように
ずっと思ってきました。

人が長く調和して生き続けていく
知恵のようなものだ、
というふうに思ったのです。

地球の空気をつくるアマゾンへ

『マーマーマガジン』は、13号まで
アパレルのブランド「FRAMeWORK」の会社、
(株)フレームワークスが発行していました。

『マーマーマガジン』を発刊する際、
上記のようなことを
(株)フレームワークスのみなさんともよく話し合って、
売り上げの数%(号によって異なる)を、
寄付していくことに決めました。

寄付先をどこにしようか、時間をかけて検討し、
「わたしたちは、紙を使って(自然の木などを切り倒して)、
出版をする。だから、その分を、お返ししていこう」
ということで、
地球の空気の約1/3をつくっているといわれる
アマゾンの森林保護と植林に役立てることにしました。

たまたま、日本人でアマゾンの森林保護のお仕事をなさっている
アマゾニア森林保護植林協会の長坂優さんと出合い
(長坂さんのインタビューはこちらです。
<前編>http://murmurmagazine.com/eco/05.html
<後編>http://murmurmagazine.com/eco/06.html)、
創刊以来ずっと、長坂さんの協会へ、
森林保護と植林のための寄付を続けさせていただいています。


左の写真の苗が右の写真の木に(2011年夏ごろ)! (株)フレームワークスは、2010年7月〜2011年6月分として、1,746,908円の寄付を行いました。このお金は、全国のFRAMeWORKのショップ、スタイルクルーズ、全国の書店で販売した、『マーマーマガジン』13号までの売り上げの10%にあたります。みなさまのご協力に、こころからお礼を申しあげます

版元移管に伴い考えたこと

さて、14号から、『マーマーマガジン』の版元を、
(株)フレームワークスから、
『マーマーマガジン』を編集している(株)エムエム・ブックスに
移管することになりました。

東日本大震災以降、「それぞれのもち場でしっかり能力を発揮していこう」
という、非常に前向きな、そして調和的な決断でした
(その経緯は、こちらをご覧ください)。

これまで編集部では、
編集実務のみを請け負っていたのですが、
14号からは、
各書店への営業から流通に関わることまで
すべてを自分たちの手で行うことになりました。

また、これまでと同じように発行していくために
(株)フレームワークス以外の会社からも、
広告をいただくことになりました。

一般的に、内情というのは
あまりくわしくお話ししないものかもしれないのですが、
実際、わたしたちは、大変少ない人数で、
これまで以上の仕事をしていく必要が出てきたのです。

一方で、
「寄付は続けていく」
という意志は、変わりませんでした。

本の販売のシステム上、
『マーマーマガジン』が全国約190店舗(2012年9月現在)の取扱店で売れてから
わたしたち版元に代金が支払われるまでにとても時間がかかるため、
寄付までにタイムラグが生まれます。
また寄付金を集計するスタッフも、必要になります。

残念ながら、現在のわたしたちは力不足で、
そうした流れを管理できる人がいません。

そこで、思いついたのが、
いただく広告費から寄付をする、というアイデアです。
広告費は、いただく段階で、金額が決定しています。
部数により、パーセンテージを決めて寄付をしていけば、
各店舗さんからの売り上げの集計を待つまでもなく
寄付をすることが可能です。

また、広告をいただくということについて
『マーマーマガジン』の考えかたもあります。

広告は、今、ある一部の雑誌を除いて、
雑誌をつくる上では欠かせないものとなっています。

多くの雑誌の収入は、ほとんど広告費で占められているといわれています。

広告と雑誌は、
切っても切り離せない、
そんな関係になっています。
とても大切な関係です。

ただ、「雑誌がおもしろくなくなった」
「雑誌が売れなくなった」その背景に、
広告の存在がある、雑誌と広告の関係性がある、
と、わたしは考えています。

雑誌は、いつからか、
読者ではなく、
広告主の方向を向くようになってしまいました。

実際、広告主は、雑誌の大切な大切なパートナーです。
いわば、恋人みたいな関係です。

でも、恋人との関係と同じで、
もしも、共依存の愛だとしたら、
それは、本当の愛ではないのです。

セルフ・エスティーム(自己肯定感)の低い人が、
何でも恋人のいうなりになってしまうのに似て、
雑誌と広告の関係も、
正直に、自分のことを大切にして、
その上で、相手を思い合い、お互いを思い合う、
という関係である必要があると思っています。

どちらかの力が、
不自然に強くてはいけないのです。
「デートDV」のようではいけないのです。
(デートDVリンク http://www.japanalive.org/sex_love/date_dv.html

そのためには、
精妙なバランスと、調和する力が必要です。
お互いへの深い理解です。

それが、非常にうまくいっているとき
(恋愛で想像するとよくわかりますね)
というのは、すばらしい関係が生まれます。
ふたりでひとつ、のすばらしい調和があります。
クリエイティブにもなります。

でも、どちらか一方だけが力を得たときは、
自然ではないことが起こります。
そうして、どちらかが
いつもどちらかの顔色を見て、
生きるようになります。

それが、雑誌と広告の世界で
たくさん、たくさん、起こっている現実だと
わたしは感じています。

「読者は、かやの外」です。

広告主ばかりを見るようになった雑誌では、
そうではない雑誌に比べて、
読者の方々へのまなざしが
どうしても弱くなってしまいます。

かやの外に追い出されてしまった読者が、
その雑誌を読まなくなるのは当然です。
「自分のこと」が気にかけられていないという事実を、
誌面から、わかってしまうのでしょう。

広告費から寄付をしていきますが

少し脱線しましたが、
そういうわけで、『マーマーマガジン』は、
広告をいただくという問題を、非常に、繊細に考え続けてきました。

ともに創刊し、13号まで、一緒に制作をしてきた
FRAMeWORK/(株)フレームワークスのみなさんとは、
本当に、深い部分で理解をし合い、
ある種、奇跡のような季節を過ごしたのだともいえます。
調和を保ちながら、
(株)フレームワークスと編集部が一体となって、
編集を行ってきたのです。

そして、今、
編集部は数社から
広告をいただくこととなりました。

その広告と『マーマーマガジン』との関係も、
ともすると(ともすると、ですが)、
多くの雑誌と広告が陥っているような望ましくないバランスに
ならないとも限りません。

そこで、
わたしたちの人員/システムの問題も含めて、
この「広告から入るお金」というものから寄付をする、
という考えにいたりました。

広告のお金の一部を、
先に、自然に返して、
そうして本をつくる、というものです。

実は、経済的に見ると、
『マーマーマガジン』は、利益がありません。
現在は、何とか運営はできていますが、
余剰の利益がありません。
本誌は本来、もっと価格を高くしなければ
採算が合いません。
でも、たくさんの方々に読んでいただきたくて、
現状では、何とか、525円という価格を、
守っていきたいと考えています。

この現状が、
いつまで保たれるのかは挑戦です。
でも、やってみようと思います。
大きな自然を信頼して、
経営をしてみようと思います。

いつか、読者の方々が、自然にもっと増えたなら、
広告費をいただかなくても、
編集・制作費をまかなえるときがくるかもしれません。
もちろん、それでも広告主のみなさんと
とてもよい関係にあって、お金をいただく、
ということにもなるかもしれません。
ならないかもしれません。

ただ、いずれにせよ、
「読者の方がいて、
『マーマーマガジン』を読んでくださる、という事実」
が、広告主が存在するにせよ、しないにせよ、
すべての大前提です。

歌い手だけではコンサートが成立しないように、
歌を聴いてくださる方がいるから、
コンサートが成立するように、です。

寄付についてお話しするのに、広告の話にまでなってしまいましたが、
非常に大事なお話であるとともに
『マーマーマガジン』の姿勢を知っていただくよい機会だと思い、
長くなりましたが、書かせていただきました。

どうぞ、
これからも
『マーマーマガジン』を、
よろしくお願いいたします。

みなさまが『マーマーマガジン』を買ってくださったお金が、
めぐりめぐって、
アマゾンの森の木となることには変わりないことをお伝えして、
筆を置きたいと思います。


『マーマーマガジン』14号からは、広告費の一部(約5〜10%/ページ数によって異なります)を、アマゾニア森林保護植林協会に寄付させていただいております。金額は、14号分が83,500円、15号分が231,000円です。みなさまのご協力に、こころから感謝申しあげます