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Special Issue 別マー特集

更新日 2012/1/6

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あたらしくなっていく『マーマーマガジン』のことをあらためて

2号も続けて、リニューアルの準備をしている『マーマーマガジン』ですが、この間、発行元が移行いたしました。本誌創刊の経緯から現在にいたるお話まで、価格改定や寄付内容の変更とともに、読者のみなさまに、お知らせ申しあげます。

版元が変わりました

みなさん、こんにちは。
マーマーマガジン編集長の服部みれいです。

本誌14号の47ページでもご紹介させていただいた通り、
最新号である14号から、発行元(版元)が、
(株)フレームワークスから、『マーマーマガジン』編集部が所属する
(株)エムエム・ブックス((株)服部事務所)に変わりました。
この経緯について、本誌とあわせてもう少しくわしく、
みなさんに、正直にお話ししたいと思い、
この場をつくらせていただきました。

本誌の創刊準備は、2007年からスタートしました。
わたしが書いた、雑誌づくりについての数枚の企画書と、
(株)フレームワークスのエシカルファッションへの想いがひとつとなり、
「FRAMeWORK」の雑誌として発刊することが同年秋に決定し、
2008年の2月に創刊準備号を発刊、4月に創刊となりました。

創刊準備号。「10年愛した服 10年愛し続けたい服」特集ほか。表紙のリンゴの絵は、当時ADだった峯崎ノリテルさん、ベイクルーズの加藤恵利子さん、わたしでお正月に集まって、リンゴの写生大会をして、一番いいものを表紙にしました。セルフメイド、ローカリゼーション、逆転の発想、原点に戻る、といったことを模索した号

創刊号。巻頭は、「フジコ・ヘミングのワードローブ」の特集。フジコさんにお手紙を書き、ご登場いただけることになったときには、スタッフ一同飛び上がって感動しました。表紙のイラストは七字由布さんの猫。猫の姿に、自由でのびのびと、自分の中に軸をもって生きるあたらしい女性の姿を感じながら。冷えとりソックスも登場しています


価格のこと、寄付のこと

当初、話し合いの中では、当時流行っていた「フリーペーパー」にする案もありました。一見、「無料」はいいことのようですが、無料でいただく雑誌や冊子のたぐいというのは、読む行為自体がいいかげんになってしまう場合が往々にしてあります。また、わたし自身は、ですが、無料で配布されるものについて、ときに暴力的といいますか(一方的すぎるため、そう感じるのだと思います)、配るほうのエゴが強くなりすぎて、読者が不在になりがちである、というふうにも思っていました(もちろんそうではないフリーペーパーもありますが)。
わたしたちのつくる雑誌は、どちらがいいのか。スタッフ一同、これについても、たくさん議論を重ねました。

そして、わたしたちは、読者の方に選んで読んでいただく雑誌にしよう。そのために、お金をいただこう。またそのお金の一部は、環境問題に関わることに使おう(本誌であれば、紙を使いますから植林に対して寄付をするシステムをつくろう)と決めました。

編集内容は、(株)フレームワークスのCEOで発行人であった黒川公美子さん、FRAMeWORKの本誌担当者のみなさん、ベイクルーズのクリエイティブのみなさん、編集長であるわたしとで、毎回、編集会議をしてつくってきました。

毎号毎号、みなさんと編集会議をして、わいわいとものづくりをするのは本当に楽しかったです。会議はいつも、キラキラとした場でした。わたし自身、たぶん、奇跡といってもいいほどに、自由に発言をし、自由にものづくりをさせていただいてきました。

こうして、出版社でないところから、小さな小さな雑誌はスタートをして、スタッフ一同、地道に、コツコツと、『マーマーマガジン』を広めていきました。

FRAMeWORKのみなさんと「マーマー」のエシカルな服づくりもはじまりました。これは、その打ち合わせの様子


「ひとり暮らし」がはじまった

その後、本誌は、読者のみなさんから本当に愛されるようになり、着実に広がっていきました。ウェブ版の「別マー」が生まれ、イベントの「生マー」も開催されるようになりました。FRAMeWORKと本誌でつくったブランド「マーマー」のオーガニックデニムほか、エシカルな商品もおかげさまで完売続きでした。本誌での連載が、書籍にもなっていきました。本誌も、年に4回というペースではありましたが、どんどんと号数を重ねていきました。

そして、昨年、あの3月11日の東日本大震災を迎えたのです。

現在、3月11日の前と、まったく変わらないような顔をしている雑誌もあります。もちろん、変わらない顔をしている雑誌のつくり手にもいろいろな想いがあるのだと思います。多くの苦悶する編集者たち同様、わたし自身も、一体、雑誌というものをどう考えていったらいいんだろう、雑誌で何を伝えていったらいいのだろうと考える日々でした。

その過程で、『マーマーマガジン』をこんなふうにしたらいいのでは? こんなふうになっていったらいいのでは? という案がわたしの中から次々とわいて出てきて、FRAMeWORKのみなさんと共有するうちに、自然と話し合いが重なっていき、本誌がより本誌らしく運営していく方向……つまりは、版元を移行するという形で、お互いの個性を発揮していこうということになっていったのです。

創刊当時から一緒に『マーマーマガジン』をつくってきた、大事な大事な仲間であるFRAMeWORKのみなさん、ベイクルーズのみなさんから離れて編集していくことへの不安やこころ細さもありました。たとえるならば、まるで親元から離れてひとり暮らしをはじめる子どものような状態といってもいいかもしれません。

そういうわけで、本当に申しわけないのですが、「親元」から離れたこの号から、本体価格も若干ですが値上げをさせていただきました。価格が改定されたのは、このような理由です。どうかご理解をいただけますと幸いです。

『からだはみんな知っている はじめてのクラニアルセイクラル・セラピー』(カワムラタマミ=著 祥伝社黄金文庫)。本誌の人気連載、カワムラタマミさんのエッセイが一冊になりました! タマミさんのクラニアルセイクラルの講座(@青山ブックセンター本店)も大好評でした

『冷えとりガールのスタイルブック』(主婦と生活社=刊)。本誌から生まれた「おしゃれな冷えとりスタイル」の提案が、一冊の本になりました。進藤義晴先生の冷えとり健康法の紹介とともに、たくさんの着こなしのヒントが掲載されています


また寄付について、5号までは、『マーマーマガジン』の売り上げのうち100円を、13号までは売り上げの10%を、ブラジルのアマゾンにある、アマゾニア森林保護植林協会に寄付を続けてきました。

今後、この寄付に関しては、本誌の広告収入のうちから、出していきます。売り上げからの寄付となると、全国の書店さん、ショップさんからの売り上げの集計に時間がかかることが主な理由です。せっかくいただいたみなさまからの寄付を、少人数のスタッフで、正確に行うために、この方法をとることにいたしました。今後、この寄付の金額についても、真摯に、本誌でお知らせしていきたいと思っています。どうぞ、よろしくお願い申しあげます。

アマゾニア森林保護植林協会に寄付していることで、植林されている本誌の木たち。くわしくはこちらをお読みください


あたらしい雑誌として

『マーマーマガジン』は、とっても小さな雑誌です。
でも、雑誌づくりに関して、より本質的に、よりあたらしい試みをと、さまざまなトライをしてきました。

出版業界は、今、とても厳しい状態にあります。それでも、「思い込み」にとらわれることなく、おもしろいものを、時節に合ったやりかたで、何より編集者がわくわくとして、生き生きとした編集部でものづくりをしたならば、きっと読者のみなさんに伝わっていく、と信じています
(これまでの全15号分でも、実際に、そのことを体験させていただいています)。

「親」であったFRAMeWORKのみなさん、ベイクルーズのみなさんも、「子」のあたらしい旅立ちに、実に、実に、あたたかいまなざしを向け、愛を送ってくださっています(本当に、『マーマーマガジン』は、運のよい雑誌です)。またこれからも、お互いの個性を大事にしながら、協力し合っていきましょうと、いってくださっています。

また何より、本誌は読者のみなさまに、強く、強く、支えられている雑誌です。毎号届く読者カード(大変な数です)、お便り、「生マー」へのご応募など、どれだけ読者のみなさんに感謝をしているかわかりません。

関係者のみなさまに、こころからの熱い熱い感謝を申しあげるとともに、読者のみなさまにも、さらに熱い熱い、熱い御礼をこころから申しあげたいと思います。

本誌は、今、本格的なリニューアルに向けて準備中です。
ひとり暮らしをはじめたばかりの本誌は、まるで上京したての大学1年生のように、ときに無知であったり、ときになまいきだったり、ときに幼稚であったりすることがあるかもしれません。
どうか、そのたびに、みなさまにご指摘、ご教示をいただきながら、一生懸命毎号つくっていきたいと思っています。

あたらしい時代の、あたらしい意識に満ちた、あたらしい雑誌として、これまでと変わらず、編集をしていきます。

あらためまして、ご報告とお知らせでした。
2012年も、どうぞ、よろしくお願い申しあげます。

服部みれい主宰の「エムエム・ブックス」も生まれました。ウェブサイトもあります。「ひとり暮らしをしたばかり」に甘えず、一生懸命がんばっていきます。あらためまして、どうぞ、よろしくお願い申しあげます

あたらしい本誌編集部メンバーです。編集は、『冷えとりガールのスタイルブック』の担当者で、主婦と生活社から転職してきたアマミヤアンナ。営業は、清水仁志。エムエム・ブックスの制作担当は、イラストレーターとしても活躍している平松モモコです。どうぞ、よろしくお願い申しあげます


親愛なる読者のみなさまへ
感謝の気持ちを込めて
服部みれいより