1228|金髪の効用
みなさま、こんにちは!
突然ですが、みなさんは、誰かにいわれたことをそのまま、
「だまされたと思ってやってみた」ことありますか?
わたしには先日、「だまされたと思ってやってみる」
という機会が突然訪れました。
それぞれ話題にあがっていたのですが、
わたし、金髪にしました!
もう1か月ほど経つのでしょうか、ある日、
みんなでワイワイ話しているときに
福太郎さんが突然、
「やまちゃん、だまされたと思って金髪にしたら?」と。
……!!!!!
「ぜっっっっったいに! いやです!!」
「無理です! 絶対似合わないし、からだにも悪そうだし、
頭皮も痛くなりそうだし、いいことないと思います!」
必死に抵抗。
「やってみたらいいじゃん。
いやだったらまた黒に戻せばいいんだし」
と、軽く答える福太郎さん。
まわりにいたみれいさんやスタッフも、
「うん、いいと思う! 似合いそう!」と同調します。
[人ごとだと思って……。
それにしても、これはやばい……。
逃げ道がないかもしれない]
と本当に焦りました。
「でも……。金髪はちょっと……」
と抵抗しつつ、
[いくらなんでも、こんなにいやがっているのだから、
たとえば明るめの茶髪にするとか、
ファッションを変えるとか、
ほかに妥協案考えてくれるだろう……]
というこころの声も聴こえてきます。
するちすかさず福太郎さんが
「中途半端な茶髪とかじゃなくて、金ね。
誰がどう見ても、金がいいよ!」
……と、突然、あることを思い出しました。
これまで、会議の場面でも、何度も
「だまされたと思ってやってみ」といわれていました。
でも、仕事の面だと、そのことばの真意がわかっていなかったなあ、
そういえば、数年前にもいわれたなあ、
と思い出しました。
でも、仕事上でわからないのだったら、形から入るのもいいかなと、
金髪にしてみるのもいいかなと、思いはじめました。
……これはもうするしかない!!!!!
と決意し、その週末に美容院に行ってきました。
だまされたと思って、やってみました。
そのときはもう、開き直って!
きっと似合うだろうといい聞かせたり、
もし、周りの反応がどういったものでも、
自分だけは、「いいじゃん、よくやったよ」と
ほめてあげようと決めていました。
でも正直、とても怖かったです。
*
金髪にするということは、本当に勇気がいることでした。
わたしにとっては、過去の自分をすべて捨てることに
匹敵するようなことだったのです。
(福太郎さんの頭の中では、
わたしの古い価値観、過去をいつまでも引きずる気持ち、
がんこな部分を崩す突破口だという確信があったそうです。)
がちがちに固まっているわたしの思い込みを崩し、
「どんなやまちゃんでも、みんな受け入れてくれるんだよ」
ということを示そうとしてくれたのでした!
さらに最近、気がついたことがあります。
わたしには、「1度会っただけでは人に覚えてもらえない」
というコンプレックスがありました。
「先日は、どうも」と、もし自分があいさつしたとしても
「(あれ? この人誰だったっけ?)あ……、どうも」という
気まずそうな相手の顔を見ることに、本当に、恐怖心がありました。
だからいつも、
「先日は、どうも。◎◎でお会いした△△の山田です」と
先にもう一度、自分の情報を相手に提示することで
自分が傷つくのを守っていたなあと思います。
けっこう無意識にやっていました。
自分の“存在感”を感じられなかったというか、
覚えていない=存在感のない人、ということを
突きつけられる気がして、怖かった……。
中学校のころ、バスケットボールをやっていたのですが、
コーチにいわれた一番ショックなことばは
「とも(わたしの名前)、今日存在感なかったな」といわれたこと。
など、“自分の存在感”を否定されることへの恐怖が
すごかったなあと思います。
それも、自分が自分のことを「存在しているだけでOK」と
認められていなくて、「◎◎の△△の山田」でいなければいけなくて、
◎◎や△△の部分をつくったり、しがみついたりして
いなければ、どうしてもいられなかったのだと思います。
でも金髪は目立つから、1度だけ会った人でも
覚えてくれている!
向こうから「先日は、どうも」といってくださるのです!
いや、本当は、「覚えられない」のも
「覚えてくれている」のも、
すべて思い込みだったのかもしれないけれど。
*
金髪の効用。
「だまされたと思ってやってみた」先には、
より自由になり、◎◎や△△の必要のない
自分に出合うことができた気がします。
思いきって勇気を出すことは、魔法のように、
わたしを安心させ、あたらしい自分にしてくれました。
黒髪に戻しても、この心境を一度感じられたら、
もう大丈夫だと思います。
まだまだまだまだ途上ですが……。
金髪のわたし、なかなかいいです!
(やまだともみ)