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別マー連載

更新日 2013/03/22

別マー連載 冷えとりガールズの集い

第55回:読マー! 冷えとりで統合失調症を克服 冷えとりは、「医」の自給自足 白金丈英さん

今回ご紹介する白金丈英さんは、冷えとり歴17年の大ベテランさんです。白金さんは20代のころ、数年おきに、統合失調症を患っていましたが、冷えとりに出合って病気を見事、克服した経験をおもちです。冷えとりを長年続けている方だからこその、気づきや智慧に溢れるレポートです。

彼女の楽しそうな様子を見て

ぼくが「冷えとり健康法」に出合ったのは、
17年ほど前、当時つき合っていた彼女(現在の妻)が
冷えとりを実践していたからです。
靴下の重ねばきを楽しそうにしていたので
「それ何?」と聞いたことからはじまりました。

ぼくは19歳のときに「統合失調症」を発症して、
入院歴もあります。
症状としては幻覚や妄想がひどく、
冷えとりに出合うまでは、長年薬の副作用に苦しみ、
このままだと一生病気が治らないかもしれないと
思っていました。

自然素材の衣類は「服薬」になる

冷えとりを続ける中で、
「面倒くさい」「もうヤダ」などと
思ったことは一度もありませんでした。
進藤義晴先生の講演や本に書かれていることも、
あやしいなと一度も思ったことがなくて、
ただやっていて気持ちがいいいから
実践しただけにすぎません。

ぼくは冬になると足の冷えをずっと感じていたこともあり、
靴下の重ねばきも半身浴も、抵抗なく自然にできました。
冷えとりをしてからの変化は、
頭痛もちだったのがまったくなくなったこと、
上着をたくさん着ることができなくなったこと、
化繊の服を肌に直接、着られなくなったことです。
冷えとりをする前は平気だったのだけれど、
冷えとりをはじめてからは、
特にそれらを身に付けることが
息苦しく感じるようになりました。

今、身につけるものは絹、麻、綿の素材ですが、
一番上に着るものは、化繊が入っていることもあります。
最近では、オーガニックコットンのものの選択肢も
増えてきたのはありがたいことです。
「服薬」ということばもありますが、
薬としての服の役割も大きいと思います。

病気が再発。「万病に効く」意味を実感

冷えとりをはじめて6年目ごろ、
懐石料理の板前をやっていたときに、病気が再発しました。

今振り返ると、
冷えとりの大きな毒出し(めんげん)だったと思います。
病気が再発したときも、
進藤先生の教え子でもあるT先生の指導により、
水分補給をしながら何十時間もの半身浴を数日続けることで、
現代医学による薬を使った治療より
早く病気を克服することができました。

そのときに「冷えとりは万病に効く」という意味を
自分のからだで知ったと同時に、
冷えとりをたくさんの人に伝えたいと思いました。

精神疾患だけでなく、すべての病気は
生活習慣やこころのもちかたから来ていると思います。

西洋医学は、症状が出た箇所をほかと分けて考えたり、
それぞれの症状にいろいろな病名をつけるけれど、
実は毒の出かたが違うだけだと思います。
自然のままのからだと対話して、日々の生活を点検して、
自然の法則に沿った生活をしながら、
免疫力、自己治癒力を高めることが万病の薬だと思います。

中国には「久病良医」(きゅうびょうりょうい)
ということわざがあるのですが、
「長く患った患者こそすぐれた医師になる」という意味です。
また、冷えとりの考えかたのベースになっているものは
「自分が自分のお医者さん」であるということ。

ぼく自身、自然農
(耕さず、肥料も使わず、草と共生する農法)で、
米や野菜、ハーブ、果樹などを栽培しながら
食の自給自足をしていますが、
冷えとりは医の自給自足だと思っています。
それは持続可能な医学だということでもあると思います。

それぞれの人が冷えとりで
自分の病気を克服できたときには、
医師免許がなくても本当の意味で、
それぞれが自分のお医者さんになったのだ、と思います。

続けるコツは、「楽しく行う」

ぼくが統合失調症を冷えとりで克服したときに、
冷えとりの指導を直接してくださったT先生に
「病気を克服したお礼がしたいので、
ぼくにできることで何かお手伝いさせてください」といったら、
「ぼくにではなくて世間にその気持ちを返していって。
それが進藤先生の願いだから」
とT先生はおっしゃいました。

しばらくして「ペイ・フォワード」という
ことばを知ったのですが、
まさに進藤先生の考えかたは
ペイ・フォワードだなと思いました。
人から受けた厚意(親切)を、
その相手に返すことは「ペイ・バック」といいます。
受けた相手にかえすのではなく、
「次へ渡す」ことがペイ・フォワードです。

ぼくは次世代の子どもたちに渡すべきものは何かと考えて、
今は遺伝子組み換えの汚染から種子を守る活動をしています。
冷えとり健康法に出合ったからこそ、今の自分があると思うし、
今では病気になったことにも感謝しています。

冷えとりは、病気を克服することをゴールとするのではなく、
本当はスタートラインに立つことが目的なのだと思います。
つまり、病気を治したいから冷えとりをやるのではなく、
自分の人生を楽しく生きるために、
冷えとりを続けるのです。

もし冷えとりを長く続けるコツがあるとすれば、
「楽しくやる」、このひと言に尽きると思います。

現在は妻と7歳と12歳の子どもたち、
家族全員で冷えとりを実践しています。
冷えとりは「やろう」と身構えるものではなく、
生活習慣になってしまえば、
これほど楽な健康法はないと思います。
今は、ぼく自身が、
妻が楽しむ姿を見てやりたいと思ったように、
自分が楽しんで冷えとりをやっていれば、
冷えとりを広めようと思わなくても
自然に広まっていくのでは、と思っています。

編集長より

白金さん、貴重な体験談をありがとうございました!「精神的な疾患を冷えとりで克服できるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、白金さんのお話が実話であること、そして冷えとりをきちんと理解すれば、とても納得がいくことですよね。白金さんの体験は、たくさんの方に勇気を与えることと思います。冷えとりは……毒出しの克服がひとつの山場だと思うのですが、どうか、この実話を胸に、場合によっては長時間の半身浴にもトライしてみていただきたいなと思います。自分が自分の医者である、ペイ・フォワードの考えかた、共感することばかりでした。白金さん、また、これからもお話聞かせてください! 記事をお送りいただいたこと、ただただ感謝申しあげます。

☆プロフィール
[しろかね・たけひで]

愛知県在住。29歳のときに冷えとり健康法、マクロビオティックの考えに出合う。その後、自然農を学び、現在は半農半主夫で妻・子ども2人、犬1ぴきと暮らす。今年からライフワークとして知多半島を中心に、食の多様性を守りつないでいく「たねの交換会」の活動を開始した
http://ameblo.jp/tembo619/

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