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別マー連載

更新日 2011/08/26

別マー連載 冷えとりガールズの集い

第32回:読マー! 冷えとりで、薬に頼る自分を卒業! ペンネーム・うたさん

「靴下をはいただけで体調不良が治るはずがない!」と、冷えとりに懐疑的だったという、うたさん。生まれつきのからだの弱さに不妊のストレスがあいまって、ある日突然、大きく体調を崩してしまいます。そこではじめて気がついた、薬に依存しすぎた治療の限界。思い切って冷えとりをはじめてみると……。まだ冷えとりにチャレンジしていないかたに、ぜひ読んでいただきたいレポートです!

最初は、冷えとりを疑っていました

冷えとりということばを知ったのは
去年の秋でした。
そのころ体調が悪かったわたしに、友人が
「わたしの知り合いは冷えとりをしているよ」と
教えてくれたのです。

でもそのときのわたしには
靴下を4枚はくということじたいが信じられなくて、
たいして興味ももちませんでした。
「靴下をはいただけで体調不良が治るはずがない!」
と決めつけていましたから、
当時はいろいろな病院に通っていました。

不妊治療でまわりが見えなくなり……

小さいころから
風邪をひきやすかったわたしは、
大きくなるにつれ、
偏頭痛や生理痛に悩まされるようになりました。
ひどいときには吐き気を伴い、
立っていることもできないほど。
いつもからだのどこかしらが痛み、
常備薬の痛み止めと胃薬に頼りきりな生活でした。

頭が痛くなると頭痛薬を飲み、
頭痛薬を飲み続けると胃が痛くなるという悪循環。
食べることが大好きで、
ついつい食べ過ぎ、
胃を痛めることもしょっちゅうでした。

結婚をして、子どもがほしいのになかなかできず、
そしてようやく
「冷え」に注目するようになったというわけです。

高校生のころ、母にどれだけ注意されても、
見た目を気にして
スカートを短くして登校していました。
それを今更後悔しても遅いのですが、
何年も通った婦人科で、
結婚と同時期に子宮内膜症と診断されました。

「子どもがほしいなら出産は早いほうがいい」といわれ、
それから1年間は
「タイミング法」でがんばりましたができず、
子どもがほしかったわたしは
焦ってさらなる不妊治療に飛びつきました。

しかし、いろいろ検査をしてみても、
わたしのからだにたいした原因は見つかりません。
「原因が自分にあるのなら、
どれだけ辛くても痛くてもがんばろう!」。
そう思っていたので、
検査結果に混乱して、まわりが見えなくなりました。
「そんなに焦らなくても」という夫を非難し、
泣き喚いて悲しみました。
時間とお金を費やし、
専門病院に通いはじめたのもこのころです。

父のがん、さらなる不調に

そんな日々を送っていたころ、実家の父ががんになりました。
小さな初期のがんだったので、手術をすれば大丈夫だと、
そんなに重く考えていませんでした。

ただ、わたしが住んでいるところと実家は遠く、
行ったり来たりするだけで疲労がたまることが厄介でした。
そのころのわたしは不妊治療が遅れることに
イライラしてもいましたので、
いつもどこか落ち着かず、
からだにも重さを感じていました。
とにかく、何かに追われるように焦っていたのです。

そんな日々が1か月続いたころ、
ガクッと体調を崩しました。
首のリンパ節のあたりが痛く、
何をしていても痛くてしょうがない。
内科で診てもらっても異常は見あたらず、
処方された抗生物質を飲んでも治りません。
数週間後に再び内科に行くも同じ薬を処方され、
そのあとに行った耳鼻科でも歯科でも同じ薬を処方され、
どうしようもなくなって行った総合病院でも
ストレスとだけ診断され、
体調はいっこうに回復しませんでした。

「薬≠万能」に気がつく!

それから父は、手術の甲斐なくだんだん悪くなり、
わたしは実家と家を1か月ずつ行き来して新年を迎えました。

新年を迎えたからといって、わたしの首が治るわけでもなく、
寝ても覚めても、痛くて何もやる気が起きないような状態。
でも、新年だからこそ、
「これじゃだめだ!!!」と思いたち、
「何かをはじめるなら今だ!」と決心しました。

今まで病院にばかり通っていましたが、
父の様子を見ていて、
たくさんの薬でも救えないものがあることに気がつきました。
そればかりか、わたし自身、薬にばかり頼って、
自分で治そうという気を
もちあわせていなかったことに気がついたのです。

「頭の痛みには頭痛薬、
生理痛には痛み止め、
胃の痛みには胃薬、
肩が凝ったらお金を払ってマッサージ、
子どもができないときは……病院に通えばきっと!」。
そういうふうに思っていました。
それが努力だと思っていたんです。

でも、それが怖くなりました。
大量の薬を
自分の体内に入れることが怖くなったのです。

冷えとりと出合う

何からはじめたらいいか悩んでいた矢先、
買い物の途中で暇つぶしに寄った本屋で
『冷えとりガールのスタイルブック』
(主婦と生活社=刊)に出合い、
去年の友人の話を思い出しました。

「でもなぁ……」と思い、結局本を買わずに帰ったその日、
夜にネットで「冷えとり」を検索してみて、
とっても驚きました。
こんなに冷えとり人口があったなんて!
しかも体験談は不調から一転!
軽やかなからだへという方が続々といる!
なんて素敵!!

翌日本屋に行って
『冷えとりガールのスタイルブック』を買ったのは
いうまでもありません。
それからすぐ、靴下を購入し、
半身浴をはじめました。
靴下が揃うまでには時間がかかりましたが、
半身浴だけはじめただけでも、
すぐに効果が現れました。

すぐに汗をかくように

実はわたし、
今までほとんど汗をかけなかったんです。

数年前にヨモギ蒸しを体験したときにも、
一緒にいた友人がものすごく汗をかいていたのに、
わたしはほとんどかかなかったくらい。

当時は「まあ、ダラダラかくよりはいいか〜」
なんて気楽に考えていたのですが、
今になってみれば、
自分のからだが
毒素を出せていなかった証拠だったように思います。

そんなわたしが半身浴をはじめて
5日目でじわじわと汗をかくようになりました。
2週間もするとダラダラ流れるようになりました。

去年までは夏になると、
からだに熱がこもった感じで
だるくて動きたくなかったのですが、
今年は「暑い暑い」とダラダラ汗をかきながらも
楽しく過ごしています。

めんげんも、盛大にとはいかないまでも
徐々に出ています。
突然の発熱、歯の痛み、
今までの偏頭痛とは違うゆるーく続く頭痛、
めまいなどもたまに出ます。
靴下も3か月目からじゃんじゃん破れはじめました。
毎回1枚目の左親指の側面と3枚目のかかとです。

生活が、ガラリと変わりました

冷えとりをはじめてすぐ、父にも勧めました。
でも、「そんなバカなことあるわけない!
お前はいつか壺を買わされる!」
なんていわれ、取りあってもらえず、父は他界しました。

悲しくて悲しくて、
どうしようもなかったけれど、
それで自分の道を決めました。

不妊の専門病院をやめ、
異常はないのになかなか排卵しないからだを
薬でコントロールするのは気が引けて、
せめてと思い、漢方に変えました。

食べるものも、できるかぎり無添加でオーガニックなものを
意識するようになりました。
長くかかっても、今すぐ治らなくても、
自分のからだは人任せではなく、
自分で整えていきたいと思っています。

最近は前ほど頻繁に頭痛もしなくなり、
したとしても、立ち上がれないほどではなくなりました。
生理痛も、数か月に1回は「あれ?」というほど
軽くなりました。
このままどんどん長年ためこんだ冷えを追い出して、
ぴかぴかの健康体になりたいです。
そして、いつかあかちゃんが来てくれることを願っています。

編集長より

うたさん、すばらしいレポートをありがとうございました! 「子どもができない」と悩んでいる人が多いのですが、本当の「不妊」ではないのに、「不妊治療」のドツボにはまる人も多いようです。悲しいことです。妊娠、出産は、大自然の産物、天からの授かりもので、もちろん、科学的に解明されている部分で解釈できることはたくさんありますが、非常に神秘的なものだと思います。たとえば、季節が冬から春になるのを、科学的に早めるなんてこと、ばかげてますよね? 冬や春について科学的にはさまざまなことがわかっていますが、でも、冬から春に季節が変わるのは大自然の流れなわけです。妊娠、出産も同じように思います。だから、わたしたちにできることは、からだを大自然とできるだけ調和させて、ゆったりと毎日を感謝して暮らすことなのだと思います。暴飲暴食して、白砂糖やお酒を好きなだけとって、めちゃめちゃな生活をして、からだを冷やしまくって(つまり自然に反する生活をしておいて)、「(大自然の産物である)子どもがほしい」といっている人を見ると、おでこに手をあてたくなってしまいます。でも、不妊治療のドツボにはまっている人は、こういうタイプの人がなぜか多い気がします。めちゃめちゃにからだを冷やして、病院へ通ったり、ね。もちろんそうでない方もいらっしゃるとは思いますが、妊娠と出産を「天にまかせることができない」「手放すということができない」という点で、とてもみなさん、似ています。ダイエットしたら→やせる、というような、なんでも「数字」で判断し解決しようとするような社会の弊害が出ているかもしれません。と、なんだか饒舌になってしまいましたが、とにもかくにも、うたさん、冷えとりに出合えてよかったです! どうか、焦らず、自分のからだや自分のこころ、自分の生活、ご主人のことを、大切にしてください。毎日を楽しく過ごして、妊娠や出産のことなんて忘れるくらい楽しんで生きてくださいね。それが、妊娠、出産をする、どうやら、いちばんの秘けつのようだとわたしは思っています。うたさん、ありがとうございました! また何か変化があったら、レポートしてくださいね。

☆プロフィール
[ペンネーム・うた]

お裁縫と料理が趣味。 横浜在住の20代主婦です

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冷えとりガールのスタイルブック
『冷えとりガールのスタイルブック』とは
企画・編集=服部みれい 装丁=中島基文 カバーイラスト=河野修宏 主婦と生活社=刊
2010年10月30日発売 たちまち5刷
冷えとりの基礎知識はもちろんのこと、これまで『マーマーマガジン』に掲載されたファッションページの再編集ほか、おしゃれな冷えとりアイテムもたっぷりご紹介しています。また、進藤義晴先生の娘さんである幸恵さん、写真家でモデルの東野翠れんさんほかのインタビューも読みごたえ充分。本誌読者の足もとファッションスナップも日々のおしゃれのヒントに。読むだけでむくむくと元気がわいてくる、冷えとり初心者の方におすすめの一冊です。