murmurbooks

新米社長福太郎便り

最終回:およろこびさま by萌

 

2週間のインターン期間を終え、

東京の稲城に戻ってきました。

 

夜行バスで移動すると、

美濃はとっても近く感じます。

(美濃・関・岐阜 ⇄ 東京 の夜行バス、便利です!)

 

あっというまの濃密な日々を思い出しながら、

美濃と東京とのギャップに

しばし頭がぼうっとしています・・・

 

そんな折に届いた、

同じ時にやはり美濃に滞在していた

mmaのメンバー、オシダアヤさんからのメッセージ。

「美濃での体験を胸に日々大切に暮らしていきたいですね」。

 

こちらに帰ってきて、

 

情報も、お店も、人も、家も、

たくさんのものであふれている東京の街では、

自分の軸を意識していないと、

誘惑される要素が多いと感じました。

 

 

美濃で感じたこと、体験したことをこころにとめて、

しゃんと生きていくぞ、と気持ちを引き締めました。

 

帰る前日、

iaiの居相大輝さん、パートナーの愛さんがいらっしゃいました。

エムエム・ブックスのスタッフ全員のユニフォームを

届けに来てくださったのです。

 

わたしは初めてお会いしたのですが、

お二人の姿は、

澄んだ水や空気をまとったような透明感がありました。

 

お二人が笑うと、みんなうれしくて

つられて笑みがこぼれてしまう。

なんというか、そんな雰囲気だったのです。

 

ユニフォームはそれぞれ、

みれいさんの服、山田さんの服、マキちゃんの服・・・

というふうに、ひとりひとりのからだと、仕事内容、

その人の雰囲気に合うものを

つくってきてくださっていたのでした。

 

今回の写真は、

居相さんがひとりずつ名前を呼びながら、

ユニフォームを手渡しているときの様子です。

 

この光景を見ながら、

わたしは泣きそうになってしまいました。

 

こんな特別なことってあるんだ・・・

いや、特別なんかではなくて、

本来、服というものは

それぞれの体型や暮らしかたに合うものを

仕立てるものだったんだなぁと。

 

みなさんそれぞれとってもよく似合っていて、

その人の魅力が内側からぴかっと引き出される服でした。

 

ふだんの仕事の内容によって、

エプロンの付け外しができたり、

足さばきがしやすいズボンになっていたり、

ペアで仕事をするふたりは、おそろいの形だったりと、

見れば見るほど惚れ惚れしてしまう服でした。

 

ありがたいことに、

わたしも一着、試着させていただきました。

 

袖に腕を通すと、

包まれる安心感と、寄り添ってくれるこころ強さ、

ずっと身につけていたい気持ちよさに包まれました。

 

色とりどりの茜染めの服を身につけた

スタッフがお店の外にずらりと並ぶと、

さらにうつくしい風景がうまれました。

 

道行く人たちは、ちょっとびっくりした様子で

そんなわたしたちをふり返って眺めていました。

(なにせ、揃いも揃ってほぼ全員ピンク色でしたから)

 

 

居相大輝さんは、

murmur magazine for men 3号

「うつくしいちいさな暮らしと服づくり」

というタイトルで掲載されていた

インタビューを読んで以来、

年齢が近いこともあり、お会いしてみたかった方。

 

居相さんが、

草木花や水、自然からの恩恵を

そのままに、大切に、

おもいを込めて、

服というかたちにしてひとに手渡す姿を見て、

わたしにとってのそれはなんだろうなぁと、

ふと思いを馳せました。

 

まだその答えは見つからぬまま、

ぼんやりとしていますが、

これから生きていく日々が

それを探す旅だとしたら、

なにが起こってもいいなぁと、

今感じています。

 

「おおきな失敗も体験したらいいよ」

と、みれいさん。

 

「なにがあっても、およろこびさま。

焦らなくても、ちゃんと花は開くよ」

と、福太郎さん。

 

これから先、たくさんの経験をしながら

見つけられたらいいなぁと思います。

 

iaiさんの服を身につけたみなさんが

今日も美濃ではたらいていることを思うと、

ふっと頰がゆるみます。

わたしも今いる場所でがんばるぞと、

力も湧いてくる気がします。

 

エムエムブックス・みのへ、

まだ行ったことがない方はぜひ、

足を運んでもらえたらうれしいです。

住みたくなるほど、とってもいい町でした。

わたしもまた、何度も訪れる町になりそうです。

 

 

*インターン生「いな暮らし」萌のみの暮らし日記

今回でひと区切りとなります。

これまでお読みいただき、ありがとうございました!

 

(鈴木萌|いな暮らし)