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マーマーなリレーエッセイ

#15 秋山佳胤(弁護士、ホメオパス)

 

『いいかげん人生術』発売に寄せて

 

『マーマーマガジン フォーメン』創刊号

巻頭のロングインタビューが話題を呼んだ

不食歴8年の秋山佳胤さんのエッセイ集

『秋山佳胤のいいかげん人生術』

8月7日、全国のお店で発売されました。

 

今回、この発売を記念して、著者の秋山佳胤さんから

新刊発売に寄せる思いを紹介させていただきます。

新刊と合わせて、ぜひ読んでいただきたい、

ヒントに満ち溢れた内容です。

 

このたびマーマーマガジンさまから、『いいかげん人生術』なるおかしなタイトルの本を出していただきました。
このような本が世に出るチャンスがあるというのは、「きっちり」「きつきつ」「ちゃんと」「頑張る」といった、緊張感のあるライフスタイルや社会に疲弊が出てきたからといえるかもしれません。

わたしたちは長い間、学校、社会、家庭において、「競争」が煽られ、そこで「勝つ」のが美徳、「負ける」のは背徳とされ、いつのまにか、競争に打ち勝つことに一生懸命になり、競争相手へのやさしい気持ちを時として忘れ、走り続けてきました。

ですが、わたしは生来、「のんびり屋」「のろま」で、競争するのが自分らしくないことに気づきました。そして、自分らしくせず、周りや社会から期待されるイメージをつくりあげることに疲れていたことに気づきました。そこで思い切って、「素の自分に戻ろう」「のんびりマイペース」で行こう、「これでいいのだ」と開き直ったのです。

すると、とても楽に心地よくなりました。またそれを続けるに従い、からだの緊張や疲れがとれ、元気になっていきました。自分が自分らしくいることで、自分本来の元気(元の気)をとり戻したのです。

『いいかげん人生術』は、「頑張ること」「きちんとすること」「競争すること」を否定するものではありません。
わたしも、そのような体験から気づくこと、学ぶこともたくさんありました。
ですが、わたしたちは、それに縛られず、「ゆるめること」「休むこと」「楽しむこと」「笑うこと」「歌うこと」「遊ぶこと」もできる自由な存在であるということを、この本では提案しています。

天はわたしたちに自由意思を与えてくださり、その自由意思に基づき、言葉を選び、行動する自由を与えてくれました。そして何かを「する、しない」の選択肢があるということは、その選択権を天はわたしたちに与えてくれたと考えられます。

選択できる、創造できる主体を「創造主」とするならば、わたしたちは、創造主としての性質を本質的に有し、わたしたちがどんな創造を試そうと天は博愛のこころでわたしたちを見守ってくれていることを思うとき、そのやさしい「親心」を「ただただありがたい」と実感できます。

みなさんひとりひとりの人生の主役はみなさん自身です。
どうぞあなたが本来的に自由であることを思い出し、あなたならではの素敵な創造力を発揮し、表現をしてみてください。
それがどのような表現であっても、わたしたちは大いに悦び、尊敬し、感謝します。
みなさんが緑あふれるこの地球での生活の豊かさを共有し、幸せを実感できますよう祈っております。



秋山佳胤

あきやま・よしたね|1969年、東京生まれ。東京・半蔵門にて、主に知的財産権を扱う弁護士として活動。医学博士、ホメオパス、コーヒー焙煎士としての顔ももつ。本業の弁護士のかたわら、講演や著作活動も多数行う。著書に『不食という生き方』(幻冬舎=刊)、『誰とも争わない生き方』(PHP出版=刊)、『食べない人たち』『食べない人たち ビヨンド』(共著、ともにマキノ出版=刊)など