murmur magazine | マーマーマガジン

震災の夜、そして『マーマーマガジン』との
出合い

わたしは岩手に住んでいて、
冷えとりをはじめて7か月ほどになります。

はじめたきっかけは、東日本大震災後に
『マーマーマガジン』に出合ったことでした。
3月11日は仕事で仙台にいたのですが、
揺れが大きすぎて、最初は地震とわからず、
とにかくびっくりして、こころのドキドキという音が大きくて、
両手両足を使って、必死にその場に立っていました。

岩手の自宅へ帰れなくなったその夜は、
真っ暗で、星がすごくきれいに見えていて、
空も空気も何だかとっても澄んでいて、
遠くのほうの空が赤くて、そしてすごく寒くて、
眠れなかったのを覚えています。

そして岩手へ戻ったあと、
しばらくは水道や電気、ガスが使えない生活を送りましたが、
まわりのみんながみんな、やさしい日々でした。

少し落ちついて、半月ほど経ってから、
久しぶりに友人と会いました。
そのときにお邪魔した店で『マーマーマガジン』を発見し、
「あっ!!!　以前、雑誌で靴下を5枚はいている様子を
取材されていた人の雑誌だ！　はじめて見た！」
と奇跡の出合いを果たしたのでした。

こころの冷えが表れはじめて

「今、このときに『マーマーマガジン』に出合い、
冷えとりをはじめようと思えたことには
きっと意味がある」と感じたわたしは、
すぐに冷えとりをはじめました。

唐突ですが、わたしは自分のことを、
とってもやさしい人間だと思っていました（苦笑）。
「きらいな人」なんてめったにいないし、
みんなにやさしくできているしと……、本当に、苦笑です。
でも、あるとき、大好きな彼に、
「どうしてそんなにいつもイライラしているの？
イライラしている姿を見るのは、寂しくて悲しい」
といわれたのです。

いわれてみれば、苦手な人、
実は結構いるなあと思いあたる節がありました。
もともとイライラしやすい性格だったのに、
自分ではまったくそれに気づいていなかったのです。
いつも誰かの心配をしたり、
人のことを気にして自分のこころが乱れたり、
年がら年中そんな感じで、
「疲れた……」と思っていました。

冷えとりをはじめて、劇的なめんげんなどは
まだ表れていません。
でも、ゆるやかに変わってきたのは、
自分の「こころ」だと感じています。
イライラした気持ちを押し込めて、
やさしい人のふりをして
がんばりすぎていた自分に気づけたことも、
その変化の表れのひとつだと思います。

自分にやさしく、人にもやさしく

大変な震災が起きて、まわりでは、
「被災しているから」と、
わがままを当然のようにいう人もいたし、
「助けてやる」と、なぜか上から目線の人もいました。
でもわたしは、そのどちらも違うなあと感じて、
とにかく、自分の生活をしっかり送り、
自分自身をしっかりもとうと努め、今にいたります。

冷えとりを暮らしに取り入れてから、
自分で自分を疲れさせていたことに気づき、
前よりもおだやかに、そして自分を好きになれました。
どうしても理解し合えない父とも、
少しだけ、やさしい気持ちで
接することができるようになりました。
変わることがすごくこわかったのに、
変われたことに、感謝しています。

この25歳という若さで（自分でいうのも何ですが）で、
冷えとりに出合えて、わたしはしあわせです。
冷えとりをはじめたことで、
大好きな彼をもっともっと好きになったし、
これからもやさしく、あたたかく、
包みたいと思うようになりました。
これからもっと彼を愛していくために、
わたし自身がひとりで生きていける強さをもちたいと、
今は考えています。