第4水曜更新
思春期倶楽部
ほんとうのわたしを求めて
9日目 母の隠れた思春期対策

「夏休み思春期キッズ」をおもちのご家族のみなさま、この夏、いかがお過ごしだったでしょうか? ホリデー気分でしばし休戦? それとも学校がないぶん紛争が絶えなかったご家庭もあるでしょうか?
思春期の子どもをもつ親について、かの村上春樹氏がこんなふうに描いていて、深く納得したのを覚えています。
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「子供たちは小さいうちはそれなりにまずまず可愛いのだが、中学生や高校生になるとほぼ例外なく大人たちを憎み、侮蔑するようになり、意趣返しのように困った問題を起こし、両親の神経と消化器を容赦なく痛めつけた。」
『女のいない男たち』(文春文庫)「独立器官」本文より
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「両親の神経と消化器を容赦なく痛めつけ」る! どうでしょう。思い当たる節はありますか? そして、これが「ほぼ例外なく」であるならば、自然なありようと安心してもいいのかもしれませんよね。こんなのなきゃいいのにね、って思うことほど、もしかしたらとても深い意味がある。そういう過程を踏んでこそ、思春期なのかもしれません。
ともあれ思春期は長丁場。わたし自身にも思い当たる節があります。
とある夏休み、どんなストレスも大丈夫だと思っていたわたしに、円形脱毛ができているのを発見し、愕然としました。そのとき「負けてたまるか」と思うと同時に、自分を労わることも暮らしに組み込んでいく大切さを再確認したのです。
意外と忘れがちな「自分」を大事にすること、実はそれは子育てでとても大事なことです。自分のご機嫌を自分でとること! 自分にやさしくすること! 子どもの思春期には、特に意識したいものです。
現在わが家にも、思春期に片足を突っ込んだ息子がおりまして、上のきょうだいよりもずっとマイルドな思春期の気配ではありますが、「そろそろくるか!」と、わたしはふんどしの紐を締め直している次第。そんなとき、無意識のうちに體(からだ)は緊張し、戦闘モードに入りがちなんです。
だから、足湯をしたり、半身浴をしたり、重ねばきの靴下で、下半身をあたためています。頭に行きがちな「血の気」を下に下ろしていくイメージで、自分をゆるめる、心地よくいる。そうしたことを暮らしの念頭に置く習慣を、また強化しはじめました。これぞ母の隠れた思春期対策です。
自分の體が整えば、こころもそれについてくる。自分をやさしく労われば、まわりのみんなにやさしくなれる。これは経験上、多くのケースに当てはまります。
子育ては体力、精神力勝負。體とこころに栄養が必要なのは、子どもだけではないのです。
つづく
◎本連載における「思春期」とは、シュタイナーの提唱する7年周期による人間の成長段階にもとづき、第3・第7年期にあたる、14歳から21歳の時期を想定しています。ただし、子どもたち自身が思春期をまっとうすることができなかった場合、その年齢を過ぎても、思春期のような状態が続くことがあります。

三男三女・6人の母。10代からファッションモデルとして雑誌や広告で活躍。出産・子育てをきっかけに、シュタイナー教育やマクロビオティック、ヨガなどを取り入れた「自然な暮らしと子育て」を実践し、その経験をまとめた著書を多数刊行。クシマクロビオティックアドバイザーの資格を取得後は料理指導をはじめ、オーガニックな家庭料理を提案するレシピ本も発表している。
2013年にドイツ人の数学者と再婚し、ブラジルでの生活を経てベルリンへ移住。現地ではヒルデガルト・ヘルスケアアドバイザーの資格を取得。現在はモデルとして活動を続けながら、「台所から子育て・暮らしを健やかに豊かに」をテーマとしたオンラインコミュニティ「Mitte(ミッテ)」を主宰。母の健やかさは子どもの健やかさへ、女性の健やかさは社会の健やかさへ、がモットー。子ども時代、インナーマザーフッド(内在的母性)を守りはぐくむ暮らしの提案を行う。2026年5月26に最新著書『Motherhood Childhood おかあさんって、なんだろう』(エムエム・ブックス=刊)が発売。5月から、みれい☆かるちゃ~☆すく~るで「大人のシュタイナー教育」講座を開催。
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