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Special Issue 別マー特集

更新日 2012/06/15

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マーマーガールズの手記 続「地震・原発・自然エネルギー わたしのことを話そう」

東日本大震災から1年。本誌特集「地震・原発・自然エネルギー わたしのことを話そう」には、読者のみなさんが自分の中から絞り出すようにして書いてくれたレポートが、たくさん届きました。ここでは、何度かにわたり、本誌でご紹介しきれなかったマーマーガールズの手記をご紹介していきます。 イラスト=相馬章宏

第3回 原発推進派の方は、とにかく被災地に住んでみて(宮城県/ちいさん/看護師)
戦場のような危機感を体験

震災当日は電源がなく、
何も情報が入ってきませんでした。
停電してしまったため、ひとりでいるのがなんだか不安で、
実家へ帰ることに。

実家も、隣家の瓦がガラス窓を突きやぶり、
家中ガラスだらけでした。
そんな中で余震が頻繁に起こっていたため、
木造の家は危険だと判断して車で寝ることにしましたが、
そのあとも強い余震が続き、車も大きく上下に揺れました。

姉の家は造りが頑丈だということで、
翌日からしばらくお世話になることにしました。
姉は、「冷蔵庫のものが腐ってしまうから」と、
ガスコンロで冷凍食材を使っておじやをつくってくれたり、
瓶にお湯を入れて、湯たんぽ代わりにしてくれたり。
その発想の豊かさには驚きました。

「早いうちに寝れば寒くない」という姉の発案のもと、
夜も早く布団に入るようにしましたが、
高速道路が閉鎖され、姉の家は国道に近かったため、
緊急援助隊のサイレンが、何度も何度も聞こえてきました。
戦争を体験したことはないのですが、
戦場はきっとこんな感じじゃないかなあと思いました。

知恵を出し合い、あるもので工夫

それからしばらくは、
ラジオで情報を得ていましたが、
原発の現状を知り、外には出ないようにしていました。

ガソリンもなかなか手に入らなくて、不確かな情報ばかりがひとり歩きし、
ガソリンスタンドに並んではみたものの開店しない、
という状況を何度か繰り返して、
やっとのことでガソリンを入れることができました。

その後、勤務先に近い先輩の家に泊らせてもらい、
職場のみんなでいたわり合いながら、
共同生活を送ったりもしました。

わたしの勤務する病院では、衛生材料が不足していたので、
残っている物品をかき集めて、どうやってしのぐかを、
みんなで考えました。
ふだんは感染予防が第一ですが、
使いまわせる物品は使いまわしました。

空調も止まり、極寒の中での勤務でしたが、
スノーボード用のネックウォーマーや登山用の防寒グッズが
とても役に立ちました。
電気ポットなどで、その都度、お湯を沸かしていた患者さんも、
沸かしたお湯を保温用のポットに入れて、
みんなで使いまわせるようにしてくれました。

今回の震災で、わたしたちの生活が、
いかに便利になりすぎていたかということを、
知る機会にもなったように思います。

見て見ぬふりの原発推進派

震災から1年以上が経過した今、わたしが感じるのは、
原発推進派の方々の意見は、被災地をはじめ、
全国の原発の周辺に住んでいる人々を抜きにして、
自分たちのことだけを考えているのではないか、ということです。

原爆で被爆した唯一の国であるにも関わらず、
危険を顧みずに原発を推進してきた結果が、
日本のこの現状なのではないでしょうか。
「何も問題ない」というのであれば、
自分たちが被災地に住み、しっかりとしたデータを取って、
それを根拠に発言してほしいと思います。

国も、推進派の方々も、
「原発で爆発が起きても、対処できなかった」
という現実を、まずは認めてほしいです。
そして、緊急時の対応ができないものは、
暮らしにもち込むべきではないと、わたしは思っています。

プロフィール

[ペンネーム・ちい]

33歳。宮城県在住の看護師。趣味は運動と読書

◎東日本大震災の体験手記を募集します
東日本大震災から1年以上経った今だから語れる、みなさんの「生の声」をお寄せください。左の記事を参考にしていただき、震災当日の様子、原発についての考えかた、ご自身やご家族の変化についてなど、ご自由にお書きください。掲載させていただいた方には、編集部よりささやかなプレゼントをお送りします
※今回のご応募は、被災した方、または被災地へのボランティア経験などがある方に限らせていただきます。
1. お名前/ペンネーム
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※特集「地震・原発・自然エネルギー わたしのことを話そう」は本誌15号でご覧いただけます


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