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Special Issue 別マー特集

更新日 2013/11/08

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からだはわかっている

━━白金さんのお子さんも冷えとりをしてらっしゃるんですね。

白金丈英さん(以下敬称略、白): 子どもたちは、わりと抵抗なくやっています。下の子がときどき裸足になりたがることはありますが。

━━僕も夏はときどき暑く感じてしまいます。食生活は、どんな感じですか?

: 家では基本的に玄米菜食ですが、外に食べに行くとオーガニックの店ばかりじゃないから、できる範囲でベストな選択をします。

━━ふつうのお菓子などは、お子さんは食べたことあるんですか?

: 自分からは食べないけど、やっぱり外に行ったり、誰かの家にあそびに行くともらって食べたりはしますね。冷えとり健康法を開発なさった進藤義晴先生も、「全体の4〜5%ぐらいまでは冷やす食品もからだに入れたほうがいい」っておっしゃっているからいいんです。それは漢方薬の考えかたとも一緒で、漢方薬も、からだにとって毒とされる作用のあるものも、少し入れることもあるそうですよ。

━━なるほど。僕も長く冷えとりをしていて、肉類は一切食べないのですが、お酒、甘いものなど冷えとりで毒といわれるものも適度に入れています。お酒はからだを冷やすのですが、ビールが大好きで……(笑)。

: うちの子どもはからだに毒を入れると、足がかゆくなるなどすぐに毒が出ますね。

━━子どもは代謝がいいから毒も出やすいんでしょうね。「家では冷えとりを忠実に、外では臨機応変に」。お話を聞いていると、そんなスタンスが感じられます。お子さんも無理なく冷えとりを続けられそうですね。小誌編集部にはときどき子どもの冷えとりについて悩んでいる方の声が届くのですが……。

: 冷えとりっていうものを意識しすぎてるんじゃないでしょうか。親の側に「やらせなきゃいけない」という思いが強すぎるのかもしれません。生活の中であたりまえのように親がやっていれば、子どももあたりまえのようにやるんじゃないかと僕は思うんです。極端なことをいえば、「冷えとり」ということばを家族の中で一切使わなくてもいいくらい、親が重ねばきするのはあたりまえ、半身浴するのはあたりまえと思えばいいんです。

━━生活の一部として完全に溶け込ませてしまうんですね!

: 僕に冷えとりを教えてくださった先生のお子さんも冷えとりをしているんだけど、その子は「僕は進藤先生のことを認めない。考えかたが好きじゃない」といいながら、靴下5枚はいてるんです……(笑)。

━━それはおもしろい!

: からだではわかってるんですよね。うちの子どもはふたりとも靴下を5枚はいているけど、「なんで5枚はかなきゃいけないの?」とは、一度も聞いてきたことないんですよ。生まれたときからはいているし、それがあたりまえになっているから。

交流できる場をつくりたい

━━白金さんは、地元で冷えとり仲間を集めてお話会のようなものをなさっているとお聞きしました。

: 10年ぐらい前は、それこそ「冷えとりって何? あやしい宗教でもやってるの?」っていう感じだったけど、今は冷えとりがとてもやりやすくなったような気がしています。いろんなお店で冷えとりソックスを見かけるようになったし、多くの人が冷えとりをしていますよね。それでも、みなさんが共通して口にするのは、「仲間がいない」ということ。

━━小誌の読者はがきにも、ときどきそういうコメントが書かれています。

: 昔は地域の中に「〜の会」っていうのがたくさんあったんだけど、今こういうものをあらためてやる必要があるんじゃないかと思うんです。だから、軽いノリで井戸端会議みたいな感じで情報共有したり、交流できる、小さなコミュニティがあるといいと思う。冷えとりのありかたや、子育てのことなど、テーマは人それぞれ。正解はないから、みんなで考える場があるといいなと思って、僕も今年の春から冷えとりをしている人を集めて、会をやっているんです。

━━すてきです。仲間と集う場があるのは、本当にいいと思います。

: そうですね。冷えとりをしている人は増えましたけれど、意外と横のつながりがなくて、まわりに冷えとり仲間がいない人が多いみたいなんです。Facebook, twitterなどで、ポロッと「冷えとりしています」って書くと、「わたしも実はやっています」っていわれたりして。みんなあんまり人にいわないようにしてるのかな(笑)。冷えとりをしている人がたくさんいるという意味では、「点」はたくさんあるんです。その点と点をどうにかつないで線にしていきたい。そういう思いがあって、僕も冷えとりお話会をはじめました。これから『マーマーマガジン』でも、冷えとりしている人同士がつながっていく場を提案してくれればなと思っています。期待しています!



【しろがね・たけひで】
愛知県在住。19歳のとき統合失調症を発症。29歳のときに冷えとり健康法、マクロビオティックの考えに出合う。テキスタイルデザイナー、料理人を経て、その後、自然農を学び、現在は半農半主夫で妻・子ども2人、犬1ぴきと暮らす。今年からライフワークとして、食の多様性を守りつないでいく「たねの交換会」の活動と、ニホンミツバチの保護活動を開始した http://ameblo.jp/tembo619/