日本人はエネルギー体が発達している!?

━━性エネルギーが高まると、創造力も高まるというお話がありましたが、あるご夫婦で、芸術家である妻が、創作活動に入るとセックスをほとんどしなくなる、という話を聞いたことがあります。性エネルギーと創造エネルギーが一緒だとすると、ものづくりをする人は、セックスをしたくなくなるということは、やはりありえるのでしょうか。

夏目祭子さん（以下、夏）：そうなんですよね。まさに作品を生み出そうとして、その女性の方は作品と交わっている状態なのではないかしら？

━━そういえば、わたしは以前はよく、本をつくるたびに出産する夢を見ていたんです。

夏：すごい！　それはつくっている過程で見るのですか。

━━はい。まもなく刊行というときに見ていました。

夏：まあ、すばらしい！　エネルギー体の次元では先に（作品である本を）産んでいるということですよ。あとから現実がついてきている。

━━自分だけでなく、友だちの編集者が出産する夢まで見るんです（笑）。それで電話すると、「来週校了だから、てんてこまいになっている」といわれたりして。

夏：気になっている人の分まで見るのですね。それは完全な巫女体質だと思います。

━━そうなのですか？

夏：はい。女性に多いのですが、自然や他者からのエネルギーを受信しやすい体質なんですよ。それに性別に限らず、どちらかというと日本人は元来、エネルギー体が発達しているように思います。

しっとりしたスキンシップのわけ

━━そうなんですね！

夏：文化の違いの例として、欧米人は人前でもスキンシップをよくするけど、日本人はべたべたするのを好まないっていいますよね。じゃあ日本人がクールなのかといえば、実は逆だと思うんです。欧米の方の場合、ハグはあくまで友好のサインとして軽いタッチでするので、さらっとドライに感じませんか。でも、日本人同士がハグすると、どこかベタッとウェットな感じがありますよね。なんだかしっとりしているというか。

━━ああ、わかります。わたしも日本人とハグをすると、どこか境界線を越えて、相手のエネルギーが内側に入ってくるような感じがして、うまくできないことがあります……。

夏：そう、まさにそう。それは、日本人のエネルギー体が発達しているからではないかと思うんです。だから、相手に変な誤解を与えないためにも、ふだんから礼儀正しくして、簡単には触れ合わないように無意識に自粛しているところもあると思うんです。それに、映画でも欧米人のベッドシーンは、わりとサラリと観ることができますけど、東洋人のは、なんとなくグウーッと重い感じがするような。

━━確かに （笑）。それにしても、エネルギー体の発達度が違うというのは、考えたことがなかったけれど、確かにそうかもと思います。

夏：ええ。だからあちらの方は、行動でベタベタしても、エネルギー体が日本人より影響を受けにくいから、それぐらいの愛情表現でちょうどいいんじゃないかと思います。

━━日本はセックスレスの人が多い国といわれたりしますけど、わたしたちは、性エネルギーが根本的に少ないわけではないんですね。

夏：もし性エネルギーが湧いてこないのだとしたら、エネルギーに敏感な分、情報社会の雑多なエネルギーに翻弄されて疲れている人が多いせいもあるかもしれません。ですから、なんとなく元気が出ないな、と思ったら自分でぜひ性エネルギーを高めるようなことをしてください。性エネルギーのいいところは、カップル同士の交流でふたりで高めることも、自分の内側で循環させてひとりで高めることも可能というところです。だから、相手がいないからといって、不足を感じる必要はありませんよ。