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Special Issue 別マー特集

更新日 2012/06/01

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エコ男子 海・ソーヤーさん(共生活動家)おすすめ あたらしい時代を生きるためのブックガイド

「変化を起こすには、“意識”と“行動”と“想像”が必要」と、アツく語る海くん。あたらしい時代をつくるために、その3つのいずれかを刺激してくれる本たちを、ご紹介します!  セレクトと文=海・ソーヤー  イラスト=相馬章宏

僕が目指すのは、“半文化創作家/半農家”。だから、よく読む本は、オルタナティブな農業や、あたらしい文化づくりに関するものが多いです。不可能を超えた想像力に惹かれるのかも。一方で、現実をどう捉えるか、現実をどう変えるか、といったことにもとても興味があります。
好きな小説は、自分の生きている社会を批判しつつ、リアリティとファンタジーの境界線があいまいなものが多いかな。自分たちが生きている「現実」が、実は錯覚なんだと気づかせてくれます。

放射能を正しく知る本

◎『世界一わかりやすい放射能の本当の話 子どもを守る編』(伊藤隼也=監修 宝島社=刊)
現代の日本で暮らすために、必要最低限の放射能情報がまとまっている
これからの農業を考える

◎『大人の園芸 庭木 花木 果樹』(濱野周泰=監修 小学館=刊)
パーマカルチャーと出合い、樹木にも関心をもつように。木を育てる基礎がわかりやすく説明されている

◎『パーマカルチャー 農的暮らしの永久デザイン』(ビル・モリソン、レニー・ミア・スレイ=著 田口恒夫・小祝慶子=訳 農山漁村文化協会=刊)
パーマカルチャーオタクなので、この本は必需品。共生するための知識が豊富に詰め込まれている
街・社会づくりを学びたい人に

◎『江戸に学ぶエコ生活術』(アズビー・ブラウン=著 幾島幸子=訳 阪急コミュニケーションズ=刊)
江戸時代の日本で実践されていた持続可能な社会を伝えている

◎『フンデルトヴァッサー建築』(タッシェン=刊)
建物の一部に木を住まわせる発想など、自然との共生を実現させた革新的アーティスト、フンデルトヴァッサー。彼の想像力の豊かさと作品の美しさは、やみつきになる。東京の建物をフンデルトヴァッサー化しようと、ひそかに計画中
意識を拡大するために

◎『一九八四年(新訳版)』(ジョージ・オーウェル=著 高橋和久=訳 ハヤカワepi文庫)
現代社会のおそろしい側面を鋭く描いている。現代の西洋文化にも大きな影響をもたらしたのだそう

◎『すばらしい新世界』(オルダス・ハックスリー=著 松村達雄=訳 講談社文庫)
『一九八四年』同様、現代社会の異常な面をおもしろく表現している。皮肉な表現方法も抜群にいい

◎『はだしのゲン』全7巻(中沢啓治=著 中公文庫、コミック版)
おそるべし戦争! 人間のさまざまな面を、体験に基づき描いたこのシリーズは世界の財産だ

◎『仏の教え ビーイング・ピース ほほえみが人を生かす』(ティク・ナット・ハン=著 棚橋一晃=訳 中公文庫)
仏教の魅力に気づかせてくれたのがハンさん。この本は、日常の平和に関するブッダの教えを非常にシンプルにまとめたもの
英語で「今」を考えるあなたに

◎『The LORAX』(Dr.Seuss=著 Random House Books for Young Readers=刊 英語)
Dr.スースのサイケな絵とともに、消費文化社会と、自然破壊の物語が描かれている。大人も子どもも楽しめる傑作

◎『A Different Kind of Luxury  Japanese Lessons in Simple Living and Inner Abundance』(Andy Couturier=著 Stone Bridge Pr=刊 英語)
友だちのアンディが書いた、日本の現代的仙人、十数人のバイオグラフィー。脱原発運動については、環境保護活動家の渡辺厚子さんや本田耕一さんの話が載っている。日本語版も出版予定

◎『Adbusters』(Alphascript Publishing=刊 英語)
カナダの作家・活動家カレ・ラースンさんが立ち上げた、精神環境とメディア・アクティビズム(メディアでメディアを批判すること)がテーマの雑誌。日本にまで飛び火した、反格差を訴える「オキュパイ・ウォール・ストリート運動」の呼びかけも行った
プロフィール
【かい・そーやー】
東京生まれ。米・カリフォルニア大学サンタクルーズ校に通い、パーマカルチャーに出合う。アメリカや中米で自給自足生活を学び、昨年秋に帰国。「共生」に関わる活動をメインにしながら、今春から東京大学大学院新領域創成科学研究科サステイナビリティ学教育プログラムに通学。海くんのブログはこちら⇒

※海・ソーヤーさんセレクトの「マーマーな☆震災問題を考えるイエローページ」は本誌15号でご覧いただけます