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Special Issue 別マー特集

更新日 2012/05/18

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みれいの部屋☆アフター 師のはなし

本誌のQ&A「みれいの部屋」では、師がいないことや、師が「今イチ」ということに対する「よいこと」について提案をしましたが、別マーでは、直感や「師」について、もう少し違う視点から、考えてみました。 文=服部みれい(本誌編集長) イラスト=相馬章宏

人って、けっこう「したいこと」
をしているのかも

本誌15号の「みれいの部屋」にいただいたご相談は、

Q わたしの直感狂ってる?

というものでした。

直感で、習いごとや仕事にトライしてきたのだけれども、
最初はよくても、実際はとんでもない師匠だったりして、
痛い目に遭わされてきた。
わたしの直感狂ってる?

というお話です。

何はともあれ、「直感至上主義!」の
『マーマーマガジン』ですが(マジ顔で)、
確かに、「直感がはずれる!」という経験が続くと、
まあ、なかなかに、こたえるものですよね。

それにしても、
わたしたち自身に起こる

◎痛い目

って、何なんだろうと思います。

実は、わたし自身、会社を辞めて、
フリーランスになったばかりのころ、
一番メインだった仕事のギャラが
半年以上振り込まれない(なぜなら版元がつぶれたから)
という経験をしました。

経済的にも、精神的にも、
かなり困窮しました。

が、一方でそのとき、わたしは

◎お、試されている

とも感じたのです。

つまり、フリーランスのライターとしてやっていけるかどうかの
「お試し」がきていて、
この山を乗り越えられれば大丈夫、
と思ったわけです。

ここで「仕事を辞めてしまおう」とか、
版元をうらめしく思ったりすることは
ふしぎとありませんでした。

いつもこんなふうに前向きに
ものごとを捉えられるわけではありません。
あのときはたまたまそうだったのですが、
ものごとって、何かが起こったときに

◎どう見るか
◎どう反応するか


で決まると思うのです。

直感を信じて動いて、
「まちがっているかも」ということが起こったら、
とてもショックですけれども、
でも、やはり(ひょっとすると魂のレベルでは)、
その「まちがっているかも」
ということも含めて経験したいと思ったから、それを選択した、
というふうにもいえるかもしれません。

人は、本当に、
「したいことをしている存在」なのかもなあと思います。
「げっ」ということを体験することも含めて
選択しているともいえます。

それでも、いいかげん、
「今の状況から脱したい!」と思ったら、
それはとってもいいサインで、
そこから、考えうることを、
試していったらいいと思います。

プロフィール
【はっとり・みれい】
執筆活動を行いながら、『マーマーマガジン』の編集長を務める。冷えとりグッズを扱う「mm socks」と本のレーベル「mm books」主宰。近著に『みれいの部屋 ニューお悩み相談』(主婦と生活社=刊)、『服部みれい詩集 甘い、甘い、甘くて甘い』(エムエム・ブックス=刊)など。6月には『あたらしい東京日記』(大和書房=刊)が発売予定。また、青山ブックセンター本店にて 「わたしらしい仕事・わたしらしい働きかた」の ワークショップなども行っている。元SGAの忍田彩さん、嶺川貴子さんとのバンド「mma(ンマー)」ではベースを担当

目の前で起こっていることをどう見るか

さて、師についてですが、
よくわたしのブログでも書いていますが、
確か、R・シュタイナー関連の書物の中に、

◎7人の師をもて

という文章があって、
とってもいいことばだなと思っています。

師は、どんな人でもよいのです。

街角のおばあちゃんが師になることもあるし、
よく行く花屋さんのおねえさんが師かもしれません。
ヨガの先生が師だったり、
とても高名な「グル」が師という場合もあるでしょう。

そうして、師は、自分の成長に伴い、
どんどん変わっていくものでもあると思います。
変わっていいのだとも思います。

また師も(たいていの場合は)、人間です。
師だってまちがうこともある。
尊敬すべき人を尊敬できない、というのは
かなり、精神的に幼稚な状態だと思いますが、
一方で、
師を師と仰ぎすぎる態度も、
同じように幼稚じゃないかと思います。

師だって人間なのです。
ずっと同じではないかもしれません。
そして、それでもいいのだと思います。
そのことを、悲しんだり、
蔑んだりする必要もないのだと思います。

なぜならきっと、
その「師の変化」、「変なことをする師を見る」、
という体験も
実は、自分がしたくてしているのだと思います。

師だと思っていた人が変な人だった、とか
師が変わってしまった、とか
そういう場合も
実は、何らかのチャンスなのです。

◎あなたはもうその人から離れなさい

というメッセージかもしれません。

◎人は変わっていく

ということを学ぶために起こっているのかもしれません。

◎あなたはひとりで学べる

と天が教えてくれているのかもしれません。

わたしの場合のように

◎それでもヤル気ある?

と「お試し」がきているのかもしれません。

いずれにせよ、
どんなにすばらしい人物が目の前に現れても、
最後の答えは、自分自身で出すものなのだと思います。

くれぐれも、
依存させる人、恐怖心をあおる人を
師としませんように。

「自分自身の中に答えがある」
ということを教えてくれる人、
また、
「自分ひとりでもやっていける技を教えてくれる人」
が、本当の、永遠の師かもしれないなと、
わたしは考えています。

さらにいえば、
師が誰かという問題以前に、

◎目の前のことを、どう見るか

ということを、ただただ磨いていくことが、
本当のところ、今、わたしたちに
求められていることなのかもしれません。

『マーマーマガジン』15号(エムエム・ブックス=刊)。『みれいの部屋』は、ただいま本誌で連載中です。ご相談の裏側にある意外な真実とは……? さまざまな角度から、本誌編集長が、ものごとの見かたを提案していきます

『服部みれいの超☆私的通信ッ』(まぐまぐ! 発行、月4回/525円)。ブログではなかなか書けない、本誌編集長の半径1メートル以内で起こるできごとを、濃く、熱く、語ります。購読者のみなさんとシンクロしまくりの声が続出の『みれいの部屋』では、お悩み相談を受けつけ中

『みれいの部屋 ニューお悩み相談』(服部みれい=著 主婦と生活社=刊)。本誌編集長のブログ「マーマーな☆ダイアリー」のお悩み相談が、1冊になりました。読むたびに、こころに残ることばが変わり、発見があります。今すぐ試せる知恵も満載