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Special Issue 別マー特集

更新日 2012/10/05

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冷えとりキッズ 蜂屋佑樹くんと冷えとりのつきないお話

『別冊マーマーマガジン body&soul』 第1弾は「冷えとり健康法」の大特集でした。
そこで生まれてからの体験を語ってくれた、冷えとりネイティブの蜂屋佑樹くんは、現在22歳。
幼いころからの冷えとり生活で培われた、自立した考えかたと純粋な感性に触れた編集部は、
あらためて冷えとりの偉大さを実感しました。
こころの大切さから冷えとりの未来まで。ディープな冷えとり談義に花が咲いて━━。
つきないお話を、こっそりご紹介します!

聞き手=服部みれい(本誌編集長) 取材・文=林 美穂 イラスト=阿部伸二

こころのありようが大切

服部みれい(以下、み):わたしは、高校生のときに、母がはじめたのがきっかけで、冷えとりと出合ったんです。それで、進藤義晴先生の『万病を治す冷えとり健康法』( 進藤義晴=著 農山漁村文化協会=刊)を読んで、子どもながらにショックを受けた。この本はすごいって。それから半身浴をはじめたんですね。でも、当時、靴下重ねばきのことは、バカにしてたんですよ。母に向かって「またあんなにたくさん靴下はいてる! 靴下教の信者だ!」とかいっちゃって。今思うと、本当に申しわけないのですけど。

蜂屋佑樹(以下、蜂):パッと見た感じ、ダサいですからね。

み:当時は、ね。でも、母が冷えとりをはじめてくれたおかげで、わたしは五行(*注)の相関図や、からだのしくみについて……細かくはすぐに忘れてしまったけれど……、そういう「存在」については知って成長できました。それは本当にありがたかったです。だから、大学生活でからだを壊して、冷えとりを思い出したときは、すぐにやろうと思えたんですよね。

蜂:逆にからだを壊したことで、思い出せたのかもしれませんよね。

み:そうですね。あと最近、靴下をはく枚数の多い少ないは大きな問題ではない、と感じることもあるんです。もちろん、きちんとやることは大切で、たくさんはく必要のある場面も絶対にあるから、単純なことではないけれど、素直な人は、そんなにたくさんはかなくても変化が起こったりもするようですよね。すぐにめんげんが出たり、気持ちの切り替えが早くできたり。

蜂:わかります。ぼくは、冷えとりのいいところは、いいことも悪いことも、起こることがすべてが必然だと受け止められるようになるところだと思っているんです。だから、変化が起きたときの、こころのありかたが大切なんですよね。

み:そうなの。こころの冷えに気づけるかどうかですよね。靴下を何十枚もはいていても、ずーっと不平不満をいっている人もいる。そうすると、せっかく毒出しがあっても本当の意味ではなかなか変わっていかないというか。わたしも、最終的に冷えとりは、こころのありようだと思います。

自分で体験することからはじまる

蜂:からだやこころの不調に、冷えとりだけでどこまで対応できるかも、その人しだいですよね。母が3年くらい前に、からだ中湿疹だらけになって、まったく動けなくなってしまったことがあったんです。顔なんて人間とは思えないほど腫れ上がってしまって。

み:エエッ!!

蜂:病院に行かなかったので、正式な病名はわからないのですが、母が当時いっていたのは、「リンパの病気……病院へ行かないからわからないけれど、がんのようなものかもしれない」と。実際、本当に苦しそうで、もしかしたら、生命に関わる容態だったかもしれません。でも、母は、毎日半身浴を6時間して、何も食べず、1週間冷えとりだけやってよくしました。今はすこぶる元気です。

み:……すごいですね。お母さまは、本当にお気持ちが強い。よくがんばられましたね。

蜂:そう思います。でも、だからといって、「みんなもそうしたほうがいい」とは思っていません。また、ゆるくやるにしても、きっちりやるにしても、まずは自分で経験することがはじまりだと思うんです。

み:わかる! いろいろ体験談を聞くと、髪が生えたとか、シミが消えたとか、大きな変化に注目しがちだけど、それを知りつつ、自分の体験を通して実感することが一番ですよね。でも、それをできない人が、意外に多い気がします。

蜂:即効性を求めているのかもしれません。でも、人によって毒出しがはじまる時期は違うし、めんげんが、決まった形で出るとは限らない。それに人生はロングスパンだから。

み:その通り! 長期スパンでしあわせを考えれば、対症療法的に薬を飲んで、即効、症状を抑えて、「ハイッ、治った!」というのは違う気がするんですよね。薬もある意味毒で、治るぶん、ネガティブな要素もある。だから飲んだらそのツケは、あとから返さなきゃいけないわけです。そう思うと、わたしは今、歯が痛いのだけど、まずは毎日半身浴をしてよくしようとしています。もちろん、緊急のときには歯医者さんに行こうとは思っていますが、でも、根本は、冷えとりで、と思っています。確かに、薬の即効性に比べたら、冷えとりは忍耐力や根気が試されるかもしれないですね。だから実験マインドでやるのがいいんじゃないかな。

蜂:ゆるくやることが大事だと思います。「いいかげんにやるものじゃない」と思っている人も、中にはいるかもしれないけど、冷えとりはいいことなので、せっかくだったら、ぼくは楽しくシェアするのもいいと思うんです。

み:そうそう。『マーマーマガジン』が考えていることもそういうことなんですよ。

冷えとりがあたりまえの習慣に?

蜂:でも、実際、長年熱心に冷えとりをしてきた世代の方たちは、『冷えとりガールのスタイルブック』(主婦と生活社=刊)のようなポップな提案にどんな反応をされているんですか。

み:多くの方々が歓迎してくださっていると思います。でも、どうなんだろう……長年にわたり、すごく熱心に冷えとりをやってこられたり、重篤な病気を克服なさろうとしている方から見ると、複雑な思いもあるかもしれません。実際にはどうかわかりませんが、そういう方々が「浅い」と思うような気持ちもよくわかるから、「こういうふうにご紹介してよかったのかな」と思うこともあります。でも……仮に、おもしろくないと思っているかたがいるのかな?……いたとして、「服部みれいって人は、あんなにチャラく、冷えとりに『ガール』とかつけたり、『冷えとりスタイル』とかいっちゃって……」なんておっしゃっていたとしても、今のわたしは、たんたんとやるだけです。わたしが冷えとりを続けて、健康でい続けることで、わたしがちゃんと「本物」であれば、先輩がたにもわかっていただけると思う。でも「本物」でないうちは、まだまだだって当然思われると思いますが。

蜂:きっと近い将来、誰もがわかってくれるような気がします。

み:そうですね。『マーマーマガジン』の読者の人たちの中には、「冷えとりは法律で国民の義務にしたほうがいい」といってる人もいるくらいで(笑)。そうすれば、みんな健康になるからって。

蜂:いいかも(笑)。国の医療費の負担も減るかもしれませんよね。まあ、そうそう簡単なことではないでしょうけど。

み:そうですよね。とはいえ、今はあらゆることの過渡期で、今までのやりかたがおかしいことに、みんな気づきはじめていると思うんです。ただ、『マーマーマガジン』としては、そういうことと対立するのではなくて、冷えとりを含めて、本当にいいものを楽しく、ただただ発信したいんです。もう、それしかないと思っています。

蜂:批判は、どんな形であれ、マイナスのエネルギーになってしまいますもんね。こちらはたのしいスタンスで変わらずにいて、それに興味をもっていろんな知恵を実践しはじめた人が、少しずつ変わっていってくれたらいいですよね。

み:本当にそう思います。わたし自身は、冷えとりのおかげで、よい体調を維持できるようになったし、こころがどっしりと落ちついてきて、本当に、シンプルに人生がよくなったんですよ。ただただ、それを伝えたいだけ、といいますか。

蜂:そうなんですよね。

み:だから、ご縁のあるかた、相性が合うかた……合わないかたはむりになさらなくていいと思います……冷えとりいいな、って思ったかたは、続けていただいて……そして、わたしは近い将来、「頭寒足熱」の考えかたがあたりまえの世の中になると、本当にすてきだなと思っています。歯磨きをするように、足もとをあたためることが一般的になるといいなって。何か、そういうことが、すんなりと受け入れられるそういう時代に入りつつあると感じています。

(*注)五行……古代中国の哲理で、万物は、木、火、土、金、水(もく、か、ど、ごん、すい)という5つの基本物質でできているという考えかたです。人体の臓器も、木は肝、火はこころ、土は脾、金は肺、水は腎と当てはめます。5つの要素が、お互いに助け合ったり、打ち消し合ったりすることで、あらゆるものはバランスを保っていると考えられています
プロフィール
【はちや・ゆうき】 
1989年生まれ。東北大学法学部4年生。幼少期から冷えとり健康法で育てられた経験をもとに、こころとからだの健康、子育てなどをテーマに、ブログやツイッター、電子書籍で情報を発信中
http://www.hacchism.com/
【はっとり・みれい】
執筆活動を行いながら、『マーマーマガジン』の編集長を務める。近著に『あたらしい東京日記』(大和書房=刊)、『あたらしい自分になる手帖2013』(アスペクト=刊)、『あたらしい食のABC』(WAVE=刊)がある

※蜂屋佑樹さんのインタビュー「冷えとりで育った僕のここだけのはなし」は、『別冊マーマーマガジンbody&soul 冷えとり健康法』でご覧いただけます


※蜂屋佑樹さんのインタビュー「冷えとりで育った僕のここだけのはなし」は、
『別冊マーマーマガジンbody&soul 冷えとり健康法』でご覧いただけます