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Special Issue 別マー特集

更新日 2009/07/31

murmur magazine vol.5 みんなにだけ教えちゃお! 第5号の裏話・大特集

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冷えとり初心者 番外編:冷えとりの疑問に、冷えとりアドバイザー進藤幸恵さんが答えてくださいました

店は味わいのあるレンガ造り 店内もあたたかみのある雰囲気 お客さんの年齢も人種もさまざま メニューの中には和食も。ミソスープ(左)とスシボウル

店舗情報やメニューなどは公式サイト(英語)でもチェックできます→こちら

環境によいことは、からだにもよい
ローフードとは、生の食材を用い、極力加熱調理しない料理のこと。「Café Gratitude」では、使う食材も、地元の農家によってオーガニック栽培されたものに限られています。 お店の方によれば、栄養学的にもお肉はよくないとのこと。
「お肉は、生産過程でも水がたくさん使われるし、広大な牧場は森林破壊のもとでもある。環境を壊すようなことは、自分の健康にもよくないんです」。
そう答えてくれた店員さんのご家族はみな、肉中心の食生活で肥満体質だったとのこと。おばあちゃんに至っては(肉食の結果)糖尿病を患ってしまったのだといいます。それをきっかけに、からだによい食べ物を研究するようになり、今に至っているのだと教えてくれました。
ベジタリアンとはどう違う?
動物性食品を含まないベジタリアンフードはよく知られるところですが、加熱調理をしないローフードは、電気・ガスの消費を減らせるうえ、油の消費もほとんどなく、より環境にやさしいのだといいます。また科学的にも、加熱調理によって食物の栄養の多くが失われてしまう、という研究結果も出ており、エコという点でも、アメリカではローフーディズムへの関心が高まっています。
ちなみに、「Café Gratitude」では、新鮮な野菜や果物をそのまま使ったドリンク、サラダ類が充実しているのはもちろんのこと、そば粉を練って乾燥させた生地がベースの「焼いてない」ピザもあり、人気なのだとか。
ローフードのマクドナルド!?
すでにサンフランシスコで5つの店舗を構えている「Café Gratitude」ですが、当初オーナーさんは、どこの街にもある「ローフードのマクドナルドみたいにしよう」と考えていたそう。しかし、単純な他店舗展開、フランチャイズ化によって、お店に流れる独特のエネルギーが薄まっていくのを恐れ、次の新店舗を“ホールフーズ(Whole Foods)”という、ヘルスフードのスーパーマーケットの店内にオープンさせることに決めました。健康やオーガニックへの意識の高い人が集まる場所にお店を構えることで、「Café Gratitude」が持つエネルギーを維持させることができるというわけです。
あらゆるものへの感謝の気持ち
そんなお店のエネルギーを持続させるために、食べ物同様、従業員のポジティブな意識も大切だと考えられています。 従業員は毎朝出社すると、〈シャドー・クエスチョン〉というものを投げかけられるのだとか。それはたとえば「今日は誰を許しますか?」といった質問。今まで自分を傷つけた人や、苦い思い出がある人のことを思い出して、その人を許し、自分の中から解放させる。こうした自分との問答を通して、あらゆるものへの感謝の気持ちや「私はさまざまなものごとを通して生かされている」といった感覚に意識的になれるのだそうです。まさに、お店の名前そのもの、「Gratitude=“感謝”」が、このレストランの持つエネルギーの源なのです。
合言葉は「Be Love」
オーナーやその息子さんは「Be Love」、という言葉をよく使われるそう。すなわち、自分そのものが愛である、そういう気持ちでお客さまに接したり、自分も接してもらったり……そうした関係性を大切にしているのです。
そんな「Café Gratitude」の雰囲気を「スピリチュアリズム」と批判する人もいるのだとか。
「そうした人たちは、会社とかビジネス、学校、スピリチュアリティ……、ってすべてを区別したがる。けど、本当は生きてるもの、生活そのものがすべてスピリチュアル、すなわち崇高なものなんです。それを忘れないようにしなくてはいけない、と思います」
こころにもからだにも満足を
いつも明るく、愛に満ちたスタッフのみなさんをはじめ、店内を彩る、かわいらしい花やカラフルなポスター、呪文のような名前のメニューに、自然の恵みをそのままいただける、ヘルシーな料理。「Café Gratitude」で得られる体験すべてが、お客さんに幸福感をもたらしてくれます。
「ただ胃袋が膨張してお腹がいっぱいになるんじゃなくて、からだ中に行き渡る栄養成分がたっぷり入った料理を提供します。きっと、こころもからだも大満足して帰れますよ」
サンフランシスコを訪れた際にはぜひ、足を運んでみてほしいレストランです。

写真、インタビュー=Mayumi Ida
文=Taro Takayama(murmur magazine)