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Special Issue 別マー特集

更新日 2010/07/09

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イラストレーター阿部伸二さんが買った本たち 文=阿部伸二(イラストレーター)

7号の結婚特集、そして9号の本特集で、ついつい読みこんでしまうすごいイラストを描いてくださったイラストレーターの阿部伸二さん。阿部さんは、イラストを描くために取材にも同行してくださったのですが、その際に、買った本たちを教えてくれました!

『カレ物語 エルメス・スカーフをとりまく人々』
(浅野素女、山本淑子、横井由利=文・構成 婦人公論編集部=編 中公文庫)350円
「カレ」はスカーフのことですが、本来の意味はフランス語で正方形を意味するのだそうです。
スカーフはテキスタイルデザインのなかの宝石のような存在だと思います。本書ではその宝石をつくるデザイナーたちの現場をかいま見ることができます。また、うちの事務所の名前は「カレラ」なので、とてもシンパシーを感じます。

『幼ものがたり』
(石井桃子=著 福音館日曜日文庫)1,200円
『クマのプーさん』やディック・ブルーナの「うさこちゃん」シリーズなど数々の名翻訳や児童文学の著作で知られる石井桃子さん。彼女の幼少期の回想録をまとめた一冊。子どもの心に「響く」大人の言葉がどうやって生まれたのか、その秘密を買ってしまいました。

『一九二〇年代の画家たち』
(海野弘=著 新潮社=刊)500円
「1920年代」という単語にはどうにもひっかかってしまいます。ロシア・アヴァンギャルド、バウハウス、モンパルナス! 様々な文化が興隆し混ざり合い奇妙な花を咲かせた狂乱の時代。10年後に迫った我々の20年代へ向けてそろそろ準備をはじめなくては!

『ほんとうらしく うそらしく』
(ささめやゆき=著 筑摩書房=刊)800円
新書判ぐらいの小さなハードカバーの中にエッセイとかわいい絵がぎっしり。僕のなかのオトメな別人格が「これは買いだ!」と騒がしいので買い求めました。ささめやさん、てっきり女性だと思っていたのですが男性なんですね。

『Max Ernst』
(Lothar Fischer=著 Rowohlt Taschenbuch Verla=刊)500円
ジャン・コクトーやフランシス・ピカビアたちとダダやシュルレアリスムの時代を駆け抜けたマックス・エルンストの本。ドイツ語なので何が書かれているのかよくわからないのですが、見たことのない図版が多いので購入。この出版社のペーパーバックはビジュアルセンスがよくアタリが多 いです。表紙の「rororo」マークを見かけたら要注意です。

『車窓より見た 日本の植物』
(藤井常男=著 社会思想研究会出版部=刊)500円
電車男と植物女のハネムーン用ガイドブック。車窓から植物なんて「二階から目薬だよ」と思ったものの、目印のない野山を散策するよりも、いつも同じところを走る電車から植物を紹介したほうが確実に出会えるのかもしれません。時刻表の数字の脇に植物の名前を書き込むのもなかなか素敵かも。

*価格はすべて流浪堂での販売価格です

プロフィール

阿部伸二

[あべ・しんじ]

イラストレーター。青森県生まれ。キリッとした絵もぼんやりした絵も得意。デザイン事務所「カレラ」所属
http://www.karerano.com

近況:手描き文字で参加した、日本語版『Jimmy Corrigan』が出ました。
http://www.presspop.com/
こんなにグラフィカルで文学的な漫画を僕は知りません。400%に拡大コピーしても美しいです。ぜひ読んでみてください