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新米社長福太郎便り

75 続・信頼関係

 

 

 

もし愛するのなら

ただもっと愛に満ちた在り方をするのだ

マスターに対してだけでなく

あなたのまわりに存在するあらゆるものに対して——

木々に

石ころたちに

空に

大地に——

 

あなたの実存が

あなたの実存の質そのものが

ひとつの愛の現象となる

そのときこそ〈信頼〉が姿を現わす

 

(『存在の詩 バグワン・シュリ・ラジネーシ 講話録』めくるまーる社=刊)

 

 

生き物たちと人間の信頼関係について

昨日のブログで書かせていただきましたが

そういえば昨日こんなことがありました。

 

木工家さん、冷えとりボーイ、ぼくの父、

美濃滞在中のデザイナーの女の子、そしてぼくの5人で

編集部の庭を散策していたときのことです。

 

 

ぼくは午前中の作業で、池をつくる予定の場所に

「こんなかたちの池がいいなぁ」と思うがままに

地面に穴を掘り、庭からかき集めた石と砂利を

敷き詰めて、そこにホースでチョロチョロと井戸水をためていました。

あくまで試験的に「水がたまればいいなぁ〜」ぐらいの気持ちで。

 

そこの場所にやってくると

「ここが池になりますよ!」と

得意げに他の4人に話しました。

すると、木工家さんに

「今のままでは水はどんどん浸透してしまい、

水がたまらないから池にはならないよ」と言われてしまいました。

 

確かに水は深さ1センチぐらいはたまっているものの

そこからいっこうに増える様子はありません。

きっと下の地層に浸透してしまっているのです・・・。

 

困ったぼくは

「うーん、でも池は作れます! 作ってみせます!」と

苦し紛れの強がりを言っていたら・・・・・

 

そこへ、トンボがやってきたんです。

 

トンボはゆっくりぼくたちの周りを旋回した後

 

ぼくたち5人の目の前で

なんとその池モドキ、作られている途中の池に

卵を産みはじめたのです!!

 

 

そのとき、池をつくるとはこういうことなんだ! と

強く胸に響きました。

「ここの水が干上がることはない」と信頼して

トンボが卵を産みに来てくれる。

そういうことなんだ! と。

 

そしてぼくはいい気になって

「ほら見てください! トンボはここに池ができることが

わかっているんですよ! 野生の勘がなにより一番なんです!」と

調子のいいことをペロッと口にしました。

 

 

今夜から雨だし、今日は水を出しっ放しにしなくても

大丈夫だろう、とホースの蛇口をとめて、

「野生の勘! 野生の勘!」と鼻歌を歌いながら池モドキを後にしたのです。

 

そして翌朝、まだ雨が降りしきる庭に様子を見に行くと・・・

 

 

 

 

 

ガーーーーン!!

完全に水が干上がっとるし!!

 

 

 

その後ろに小屋からの雨水をためる雨水タンク設置予定地に

仮置きしておいたプラスチックの桶には、並々水が溜まっているのに・・・

 

 

 

トンボの信頼を裏切ってしまった・・・と意気消沈していたら

もう刺されないと思っていた蚊たちに

いつのまにか数カ所刺されている!

 

 

あぁ・・・完全に庭の信頼を失った・・・、と自信消失したぼくは

うなだれて庭を後にしました。

 

こんな日に限って、来客と打ち合わせがみっちりで

その後、庭に出ることさえできず・・・

 

 

 

冒頭の引用文のように

ただただ愛に満ちた在り方を、

ただただ愛に満ちた存在になれるよう・・・

 

もう「野生の勘!」なんて調子乗った鼻歌は歌いません!

 

庭さん、庭さん、もう一度おいらを信頼してくれッ!!

 

 

(福太郎)