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新米社長福太郎便り

さよならリーダーシップ(後編)

 

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あっという間に大晦日になってしまいました。

前編を書いてから、ずいぶん時間が経ってしまいました……。

そのあいだにも、みれいさんのトークショーや、忘年会で、

読者の方や、知り合いに会うたびに

この話をみれいさんが話したり、みれいさんに話をふられてぼくがすることに……。

そのたびに聞いていただくみなさんに大爆笑していただきました。

ある人には

「たしかにこの前会ったときのフクちゃん、

かなり生きるのがしんどそうだったよ」と言われました。

「でもリーダーシップとろうとしていた頃よりも、

逆に前より堂々としているね」とも。

 

……さて、「さよならリーダーシップ」の後編です。

 

 

「リーダーシップがひとかけらもない」のが自分であると

はじめて認められたとき、世界が一変しました。

 

「なーんだ、ないならしょうがないな」と

自分が軽くなりました。

 

今まで、なんとかリーダーシップを発揮させようと……

 

カリスマ経営者が書いた本や、リーダーシップの本を読みまくり

そこに書かれていることを実践したつもりになっていたり、

「まずは格好から」とスーツを着てみたり、

朝礼をピシッとした雰囲気にしてみたり、

報告・連絡・相談(ほうれんそう!!)を

各スタッフと大まじめに取り組んだり……

いろいろなことに、社長になってからの2年間取り組んできました。

 

ぜんぶうまくいきませんでした。

 

そもそもリーダーシップをとろう、リーダーシップを発揮しよう、

という魂胆が間違っていたんですよね。

 

モテよう、モテようとする人が

全然モテないのと似ている気がします笑

 

 

今思えば、

ぼくにリーダーシップがないことを色々な方法で

知らせてくださった方々がいました。

 

まずは小社発刊『いいかげん人生術』でもおなじみの秋山佳胤先生。

健康相談のセッション中に秋山先生に仕事の相談をしたら、

こんな風に言ってくださいました。

 

「福太郎さんは居るだけでいいんです。

ただ会社にいるだけ。それだけでみんなが安心するんです。

福太郎さんは存在するだけで人に安心感を与えるんです。

すごいですね〜」

 

ぼくはこんな風に言われて、

「なるほど!ただ居るだけでもみんなに安心感を与えられるんだから

やはり存在感を出して、バリバリ仕事をして、もっと存在感を示してやる!」

なんて思ったわけです。

ほんとうに周りからするとゾッとする話、

はたからみたら笑い話ですが

本気でそう思い、より一層一生懸命働いて、

周りをかき回してしまいました……。

 

秋山先生のお言葉の最後「すごいですね〜」の後には

「だから余計なことはしないでくださいね!」ということばが

隠れていたんですよね〜。

秋山先生は優しいからそんなことは言わなかった。

いや、言わないでもわかるだろう、と思われたのかもしれません(涙)。

 

 

それから最近知り合いになった、前世や目に見えないものや人たちと

おしゃべりできる方にも仕事のことを相談しました。

 

すると……

 

「福太郎さんは、朝礼で一人一人の目を見て、笑顔で

うん、うん、とうなずいてください。それから自転車に乗りに行ったり

サーフィンに行ったり、畑に行ったり、好きなことをしてください。

そうするとみんなが勝手に働きますよ」と。

 

これを聞いて

「うん、うん、と頷くだけで、みんなが働いてくれるなら……

ぼくがリーダシップを発揮して、陣頭指揮をとったら

もっといい仕事ができるに違いない!」と思ってしまい……

またしても。

 

しかしこのおことば、しっかり噛み砕くと

「福太郎さんにできることは朝礼で笑顔でうんうん頷くぐらい。

あとは余計なことをしないで、むしろ会社にいないほうがまし」とも

とれるわけです(それが正しいわけです 涙)。

 

 

それからいつも相談事をしているあるご長老の方に仕事の相談をすると

「フクちゃんは、そのままやればいい、余計な努力をしないでいい」

と言われたり

みれいさんには再三にわたり、ぼくの特性については話してもらっていました。

あるときは「福太郎さんは天使で、その天使性を活かして

周りの人に助けてもらう方がうまくいくよ」と言われたり

あるときは「ほんとうはわたしがマネジメントで

福太郎さんが作家のほうがうまくいくのかもね」と言われたり。

(作家にこんなセリフを言わせてしまうなんて………

ほんとうにマネージャー失格で情けなすぎる話なのですが……)

 

こういうようなメッセージが

ここ3ヶ月ぐらいの間に、それはそれはたくさんきていたんです。

 

 

そして……

とうとうある日、高知のある先生から

「リーダーシップがひとかけらもない」と言われて

おもしろいことが起こりました。

 

なんと過去が書き変わってしまったんです。

 

 

高知での体験のあと、東京でばったり大学時代の友人に会いました。

大学時代、ぼくは1年生のときからサークルをつくり代表をつとめていました。

そのサークルでともに数々のことを経験した子でした。

 

さっそく高知でおこった

自分自身にとっては大革命の話を報告しました。

大学時代、サークルの代表として

ずっとリーダーシップを発揮しつづけてきたぼく、

もちろん「え〜〜〜っ!? フクちゃんがリーダーシップない??

信じられない!!」という反応を期待してのことです。

 

福「そうそう、このあいだ高知でおもしろい人に会ってさ

びっくりしたこと言われたんだ!」

 

友人「へぇ〜」

 

福「その人に『これからどうしたいか?』って聞かれたから

これからは社長としてリーダーシップを発揮して、いい会社をつくっていきたい」って

言ったの。

 

友人「うんうん」

 

 

福「そしたらさ、その人なんて言ったと思う?

なんと! ぼくにはリーダーシップがひとかけらも…」

 

友人「ないよね!!!!!!」

 

 

福「えっ!!???」

 

 

友人「ないよね!!!!!

知ってる、知ってる、ないよ!!!!」

 

 

なんと友人は、ぼくが話し終わるすんぜんのタイミングで、

かぶせて、ぼくにはリーダーシップがないことを賛同してきたのです!

 

 

福「…………。

いや、あれ?、えーと、でも、ほら、おれ1年からずっと代表だったじゃん?」

 

友人「代表の仕事ひとつもしてないよね!

ぜんぶ周りのみんなが動いていたよね!」

 

福「いや……(汗)、代表の仕事ひとつもしていないなんて

い、いくらなんでもそんなことはないだろ?」

 

友人「いやしているところみたことない。

でもみんなそれでも良かったんだよ。

なんか、なぜか役に立ちたいと思って、動いちゃうんだよね。

………

っていうか、あれ?

代表の仕事やっていたと思っていたの???

…………

 

それがびっくりだわ……」

 

 

「過去ではリーダーシップをとっていた」

そんな甘い考えを何年にも渡って(十年以上)抱いていた自分を

笑ってしまいました。

 

 

自分にはリーダーシップがひとかけらもない。

 

今も、過去も、そしておそらくこれからも。

 

同じように過去も、今も、おそらくこれからも

周りにはそんなぼくの特性を受け入れてくれる人たちばかり。

そう思うと、過去も今もこれからも、

自分を支えてくれていた人たちに、ただただ感謝があふれてきました。

 

この過去の書き換えが、自分の中ではほんとうに大きかったです。

 

無理やり感謝しなきゃ、ということではなく

自然とぽっかりと感謝があふれてきました。

 

リーダーシップがひとかけらもない、と気づけたおかげで

今や過去になかった「ありがとう」が生まれてきました。

 

みなさま!みなさん!!

 

ほんとうに、ほんとうに

ありがとうございます!!

 

ただただ、ありがとう!!

 

 

ありがとう!!

リーダーシップ!!!(ひとかけらもないけれど……)

 

そして、

 

さよなら!!

リーダーシップ!!!

 

 

 

 

さて、そんなぼくも2017年で社長として3年目を迎えます。

3年を目前にリーダーシップのかけらもないことがわかったぼく……。

 

 

このコーナーのタイトルも「新米」は変更して

下記のようにしたいと思っています。

 

 

題して……

 

 

 

 

 

『リーダーシップがひとかけらもない社長のブログ』

 

 

…………

 

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2017年も、どうぞどうぞ

宜しくお願い申し上げます!!!!!!