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新米社長福太郎便り

さよなら☆リーダーシップ(前編)

 

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みなさん、こんにちは!

 

先日、とある先生に、とあるセッションをしてもらいに

高知まで行ってきました。

 

そのとある先生とお会いして

5分も経っていないときのことです。

ぼくにとって、

それはそれはおおきな革命が起こりました。

 

先生「ところでフクちゃんは、これからどうしていきたいの?」

 

福「社長として、リーダーシップを発揮し、

みんなといい会社を作って行きたいです!」

 

先生「………………。

(おばさんのようなおじさんである先生はにっこり満面の笑みで

じーーーっとぼくの目をいたずらっ子みたいな無邪気な目で見つめる)

 

あのね……

こんなことぼくみたいな人しか言えないんだけれど……

フクちゃんにリーダーシップというものは、ひとかけらもありません!!」

 

福「えっ!!!???」

 

これがどれほどショックなことかは、

本人にしかわからないと思うのですが

(親しい周りの人は、ぼくにリーダーシップがないことを

とっくに気づいていました。この話は後編で。)

 

とにかくショックで……

脳内リーダーシップ記憶が頭をかけめぐりました。

 

小学校の時はクラス替えの際、担任の先生が自宅まで来て

「フクちゃんは影響力が強いので、同じクラスの男の子とは一緒の

クラスにはしません」と言われるほど、ガキ大将だったこと。

中学校では部活のキャプテン、ひと学年1000人以上の高校では

卒業式のときに、一度も話したことない軽音楽部の同級生から

「フクちゃんがボスだったから、いい学校生活だった」と言われたこと。

大学ではサークルを作り、1年から代表をつとめた。

 

これと言って特別な才能はないし、容姿だって良くない

だけれども自分にはリーダーシップがあって

みんなが周りに集まってきてくれる!

なんかよくわからないけれど、みんな協力してくれる!

それで楽しく過ごすことができる!

 

 

「ぼくにはリーダーシップがある」

 

それが自分にとっては、根拠のない自信…。

自身のアイデンティティーのほんとうに最後の砦のような言葉、

いや確信だったのです。

 

 

しかし

ぼくは、ぼくの確信は、もはやグラグラと崩れ落ちていました……

 

福「ひ、ひ、ひ、ひとかけらも?(すがるような表情)」

 

先生「ひとかけらも。これっぽっちもありません。(満面の笑み)

ごめんね! ごめんね!

でもおかしい!!(ゲラゲラ笑いはじめる)

だって、リーダーシップひとかけらもない人が

リーダーシップだって!!!ぷぷぷぷぷ〜っ!!!(大爆笑)」

 

福「……………(しーん)

 

で、で、でも社長ですからリーダーシップをとる責任があります!!」

 

 

先生「あのね〜(満面の笑み)

フクちゃんみたいな人が責任とか言い出すのが

いちばんたちが悪いのよ。

フクちゃんにいちばん似合わないもの

それはリーダーシップと責任!!」

 

 

 

がらがらがっしゃーーーん

 

 

 

ぼくの確信はくずれおちました。

 

 

そして、次の瞬間……

 

爽やかな風が吹いてきました。

 

これはほんとうにほんとうなんです。

 

マンションの一室、先生の診療所、窓は閉め切っていても

 

爽やかな風が吹き、明るい日差しが差し込みました。

 

 

それは今までに感じたこともないような爽やかな風でした。

 

先生はうれしそうにぼくの顔を覗き込んでいました。

 

ぼくは次第に笑いがとまらなくなりました。

 

先生とふたりしばらく笑いました。

 

 

福「リーダーシップが…」

 

先生「ひとかけらもない」

 

福「なのに社長」

 

先生「おもしろいね」

 

福「責任は……」

 

先生「フクちゃんは考えない方がいい。

みんな勝手にやるから」

 

 

ぼくの最後の砦、ぼくの確信、ぼくの自信

だと思っていたリーダーシップ。

 

 

ボロボロと崩れたときに見えてきた景色は

それは別世界でした。

そしてその世界では今、過去、未来にも

爽やかな風が吹いていて、あたたかい日差しが差し込んでいました。

 

「ぼくにはリーダーシップのひとかけらもない」は

魔法の言葉でした。

 

ぜったいに聞きたくない呪いのことばは

それは圧倒的な救いのことばでした。

 

 

(後編へ続けさせていただきます!)