murmurbooks

新米社長福太郎便り

#12 熊本がすき

 

 

まず最初にお伝えしておかなくてはいけないのは、

ぼくは、ほんの3日間熊本にいただけです。

南阿蘇にいたっては数時間の滞在、

しかも大地震が起こってから2か月以上経ってからです。

なので「なにを今さら…」と思われてしまうことは、

ほんとうにごもっともで反論の余地はありません。

それでもどうしても行きたい場所があり、どうしても会いたい人たちがいるから

行ってきました熊本。

 

今回、南阿蘇や熊本市内で

久しぶりに再会する方や初めてお会いする方、

たくさんの方々とお会いして、お話を聞いてきました。

みなさん大変なおもいをされた方々、

それなのにどこへ行ってもあたたかく迎えてくださり、

逆にこちらが勇気づけられる始末……。

 

 

DSC01631

 

阿蘇くまもと空港に着陸する手前

飛行機の窓から見える景色に、異様なブルーの色

おそらくそうだろう、と思っていたのですが、

あとで熊本の方に写真を見ていただいたら

その異様なブルー色は、屋根が落ちてしまったり

修理がおいついていなかったりするところに覆われているビニールシートでした。

 

震源地から、すこし離れている場所の写真なので

もっと被害がおおきいところもあります。

 

1日目は空港でレンタカーを借りて南阿蘇へ。

いくつかの道が閉鎖されていたため、おおきく迂回して

南阿蘇の農家さんを目指しました。

 

雨が降っていましたが、阿蘇の自然の雄大さ、緑の美しさに

今回の目的を忘れて、こころが華やいでしまう自分がいました。

 

地震の被害で家に住めなくなってしまった農家Kさんご夫婦と

そのご友人のMさんとお会いしました。

 

Kさんご夫婦は、もとの家に住めなくなってしまったものの

移り住んだ先で、あらたな希望に向かっていました。

マイペースながらも、今回のことを乗り越えようとしている

そのお姿に、ものすごく力強いものを感じました。

 

Kさんご夫婦とMさんと一緒にいるときに、

なんと偶然にもご家族で広島から来られていた

マーマーガールさんとお会いしました。

(すみません、勝手にマーマーガール呼ばわり……でもぼくの顔を見ただけで

福太郎とわかる、ということは相当なマーマーガールです/笑)

そのご家族のあかちゃんが、

ものすごく周りの人たちにしあわせをふりまいていて……

みんな、その子を見るだけでしあわせそうな顔をするんですよね。

ほんとうにこういう時に力になるのは、

ぼくみたいなむさ苦しいおっさんではなく

あかちゃんのような純真で無垢な輝きの幸せ、そういうものは

パーッ! と周りを明るく照らす、こんな力強いものはないですよね。

 

避難所でも

「あかちゃんやこどもたちに、ほんとうに助けられた」という声を

たくさん聞きました。

あかちゃんやこどもたちの姿から学ぶことは、あらためて多いなぁと思いました。

 

ちなみにMさんの弟さんは地震で電車が通らなくなってしまった

駅舎で喫茶店をされているそうで、今回そのお店にも行きたかったのですが

時間の都合で行けず……。

でも翌日、ぼくが憧れている編集者の方と偶然お会いして

「今日、その喫茶店に取材に行ってきましたよ」と教えていただいたんです。

そのときに、いろいろな人がいろいろなアプローチで、

熊本に関ろうとしている、というか、コミットしている、

そういうものを感じてなんだか胸が熱くなりました。

ぼくたちはぼくたちのやり方でできることをしよう、そう思いました。

 

2〜3日目は、熊本の方たちから色々な話を聞きました。

 

「もう一度地震がくる気がする……と予期できていたのは女性と子ども」

という話は、阿蘇でも熊本市内でも聞きました。

女性とこどもはすごい!

ただ、みなさんのお話の統計からすると、勘は働かない男性ですが、

(お話した方が、ほとんど女性だったから、というのもあると思います )

避難生活のときなどに、男性の能天気でおおらかな態度に、

なんだか救われた、という声も何度か耳にしました。

それに力仕事の際には、おおいに頼りになった、

というのは、ほぼ100%みなさんおっしゃっていました。

 

また今回の大地震をきっかけに

普段は見過ごしがちだった、ちいさな綻びや傷、

問題が表面上に浮き上がってきた、という話も

何人かの方からお聞きしました。

 

ものすごい夫婦ゲンカをしたり、人生で一番感情的に荒ぶったり、

忘れていた昔の傷を思い出したり。

 

「地震はエネルギー」だとしたら……

ほんとうに一度に大きく出ないで、小出しにしてくれ! ということに

つきるのですが、そのおおきなエネルギーが、

普段は蓋されているものにも作用するのかもしれない、と思いました。

 

そして、2か月半経ってようやく街に出歩いたり、

人と会って話したいと思えるようになった、と話してくれた方が、

「心労がきつかったり、被害が大きい人は

まだとても人と話したりする気がおこらないと思う」と教えてくれました。

その方たちのことまで、ちゃんと考えて熊本に来たのか、自分に問うと

ほんとうに至らない気持ちになります。

 

(1年半前の長崎次郎書店のイベントで、

ランチをご一緒して、空港のいきなり団子を取り置きしてくださったMさん、

今回お会いできませんでしたが、お元気ですか?

もしもこのブログを読んだら、ご連絡いただけるとうれしいです! )

 

 

 

前回のこのブログでお伝えさせていただいた

「ぜひとも熊本の方々へお届けしてほしい」と

商品を快くご提供くださった6社の協賛企業のみなさまより

いただいた品々は南阿蘇の方に一部お渡しし(周りの困っている方々にも

お配りしてくださるとのことでした)、その他は長崎次郎書店さんの販売会と

翌日の長崎書店さんでのイベントで、すべてお渡しすることができました。

 

生後数か月のあかちゃんを抱いて来てくださったご家族に

オーガニックコットンのおくるみがあたったり、

2つの商品で、どちらを買うか迷われていた方が、

買うのをあきらめた方のものがあたったり、

イベントのことはまったく知らずに、

書店に来られた方にもくじを引いていただき

あたったくつ下に「ここ最近で一番うれしいっ!!」と感激していただけたり………

熊本のみなさんにお喜びいただけたこと、ほんとうにうれしいです。

ご協力してくださった会社のみなさまのおかげです。

ありがとうございます!

 

マーマーガールのTさんには、

熊本市内2日間とても親切丁寧なアテンドをしていただきました。

長崎次郎書店のスタッフ甲斐さん、大村さんには、

イベント運営を助けていただきました。

(荒金さんもありがとうございます!)

長﨑社長には、10日の場所提供をしていただき、

お話を聞く会の会場にもおこしいただきました。

熊本県内の、マーマーガールやマーマーボーイ、

そして九州他県からのマーマーガールにお会いして

たくさんの元気をいただきました!

 

今回行って終わり…、ではなくて、

今回行かせていただいたことをスタートに、

これからも実際に行って、見て、聞いて、話して

大すきな熊本、大すきな熊本の人たちと

繋がっていきたい、そう思いました。

 

 

美濃に帰って来た翌日

曇り空におおきな虹がかかっているのを見ました。

熊本のことを思いました。

 

 

DSC01776

 

 

 

今は、晴れ渡らなくたっていい

希望の虹は、たしかにこの目に見えているから。

そんな風に感じました。