murmurbooks

新米社長福太郎便り

#9 会社は自然

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まったく更新がされないこのコーナー……

ホームページの貴重な1コーナーをいただいておきながら

「タコ社長福太郎は一体全体なにをしているのだ?」

そんな読者のみなさまの愛あるお叱りのお便りも届かなくなった今日この頃……

なにくわぬ顔をしながら、更新させていただきます!

 

先日、近所の里山で開催された「大地再生の講座」に参加してきました。

講師は矢野智徳さん。

今、日本全国の大地は、コンクリート構造物などの影響で

大地の中を流れている空気、そして大地の血管である水脈が塞がれてしまい

「呼吸不全」を起こしてしまっている状態だそうです。

矢野さんは、そんな状況におちいっている全国各地の大地を

その土地土地の空気・水・光の動線を軸に自然環境を読み、

大地が呼吸できるように環境整備、自然治癒される活動をされています。

矢野さんのこと詳しく知りたい方は、ぜひお名前で検索してみてください。

わかりやすく紹介されているサイトがいくつかあります。

 

この講座に参加させていただき、ほんとうによかったです!

今夏に編集部の庭を改装予定で、庭の環境をものすごくよくする

実作業を学べたことがもちろんうれしかったのですが、

なにより講座を通じて矢野さんの自然とのかかわり方を目のあたりにして

自分の仕事や会社に対する考えに、革命的なヒントをいただきました!

 

受講中にとったたくさんのメモの中で、いちばん大きな字で書かれた文字は

「自然のような会社にしたい」でした。

しかし、メモにおおきく書いたものの

「自然のような会社ってどういうこと?」と聞かれると…うーん。

ちゃんと答えられない自分がいます。

 

ただ講座中のメモに「自然のような会社」の断片がいくつかあります。

たとえば

◯手入れがいきすぎてしまうと、植物や自然はいじけてしまう。

◯枝を剪定するときも、自然の風で折れる節で折ると、

周りの自然にあわせて成長するようになる。

◯枝の剪定が人工的だと、暴れだす!

(急激に伸びたり、変なところから枝が生えたり、反発したり)

 

スタッフが抱えている問題や課題を手助けしすぎると

かえって伸び悩んだり、混乱してしまったり、と

ちょうどその時実際の業務の中でそういうことがあり、

置き換えて考えさせられることも偶然にあり……。

どれもなんだか人間関係や会社の仕事、子育てなどにあてはめられる気がしませんか?

 

さらに、矢野さんは里山のフィールドワーク中にこんなことを話されていました

◯「石の表情が本来の表情じゃない」

◯「山ゴケ本来の緑の色が出て来ていない」

◯「強いはずの笹もいじけて、元気がない」

◯「本来、水生植物がはえるところに、泥がたまってしまい、水際の植物が

勢力をまして生えてしまっているから、川がどんどん疲弊していく」

 

矢野さんに言われて、そんなこと今まで考えたこともなかったのですが

「たしかに石の色が、もっと乾いている感じだったら、

ここの景色は、もっと気持ちがいいな。もっといきいきとした山ゴケだと、なんか

いい感じだよな」などと感覚的に思う場面もありました。

しかもこういったことも「お客様やスタッフの顔の表情、お店に置かれている商品を

みるだけで、けっこう重要な情報をキャッチできるよな」と思えたり、

「風通しの悪い環境では、どんな強い人でも疲弊していってしまうよな。

適材適所じゃないと何事も大変だよな」といちいち会社や仕事に置き換えて考えては

感動していた僕……。

 

 

ここまで書いて気づきました……。

 

本来、会社は自然そのもの、自然の一部なのかもしれません。

(これは人工も自然の一部と言っているようなものかもしれませんが)

だとしたら矢野さんが自然と接する姿そのままに

会社をよくよく見ること、感じること、いつもいつもそこからスタートして

いつもいつもそこに立ち戻りたいと思いました。

 

 

そうそう矢野さんはこんなこともおっしゃっていました。

「庭木の剪定は、今、風の通りをよくすることを考える。

秋になったら落葉してこの枝を切ると貧相になるから、

切らないでおく…、とか考えていたら、どの枝も切れなくなってしまう」と。

秋になったらなったで、

木は自ずからさみしい部分に枝を集めたりするようになる、

というようなこともおっしゃっていました。

 

ぼくもそのお言葉を受けて、

「自然みたいな会社にしたい」ではなくて

「自然そのものの会社が自然そのものであり続けるように

会社をよく見て、感じ続けていたい」とあらためて思っているところです。