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新米社長福太郎便り

第7回 for men 2号発売! 鎌田芳朗さんのこと

 

 

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みなさま、こんにちは!

3月3日(木)に

『murmur magazine for men』2号を無事発売させていただきました!

 

おかげさまで、なんと発売初日から、

お取り扱い店さまから追加のご注文をいただくなど

たくさんの読者のみなさまのお手元にお届けできていることに

まずはなによりホッとしております。

 

このコーナーをご覧のみなさまは

もうお手元にお持ちでいらっしゃる方も多いのでしょうか?

またご感想など教えていただけますとうれしいです!

 

 

ぼくは普段は営業、経理、総務の仕事が中心なのですが

このfor men では、創刊号から編集部として関わらせていただいております。

そして…なんと!! 今回の2号では表紙も描かせていただきました!!

 

実は、「表紙を描いてほしい」と編集長である妻に頼まれたのは

かなり本が出来上がって来たタイミングでして…、正式にオファーされたのは

2016年になってからではないかな、と思います。

 

雑誌を作る過程というのは、ほんとうに紆余曲折だらけで、

なかなか計画通りにはいかないものである、と

妻を横から眺めていて理解していたつもりでおりましたが…

それにしても自分が描いた絵が表紙になんてなっていいのだろうか!? と

不安で、妻に問いただすと……

「ちゃんと描き上げたらOK! いいのが出来なかったボツです」と妻。

夫婦で甘えあっていると思われたくないとのことでした。

ぼくにとっては、このモードに入った妻は、時に誇らしく

時にこの世で一番怖いものとなるのです。

これは、もう、文字どおり、やるしかない! という状態でした。

 

描き上げた後も、ぼく自身はうまくいったのかどうか

不安は拭いきれなかったのですが、妻は「とてもいい!」と一言。

そもそも鎌田さんの招き猫が、既に表紙のほとんどをつくってくれていて

だれがどんな絵を描いても、鎌田さんの張子を描いたものなら、

表紙として間違いないハズ!! だったのです。

 

鎌田さんのこと、佐原張子のことは、ぜひ本誌の

「福太郎が行く!仕事のかみさまが好きな人」をご一読いただけましたら幸いです。

 

 

ここでは本誌には載っていない鎌田さんとのエピソードを書かせていただきます。

 

 

鎌田さんとの出合いは、約3年前のこと。

当時、原宿と表参道の間に会社があって

徒歩圏内の青山ブックセンター本店には、ほんとうによく行かせてもらいました。

青山ブックセンターまでの通り道に「Found MUJI」という無印良品の

コンセプトショップがあり、そこでは普通の無印良品のお店にはない

ステキなモノが並んでいて、店内を眺めているだけでも楽しいお店でした。

ある日、青山ブックセンターに行く途中Found MUJIの前を通り過ぎようとしたら

ショーウィンドウに郷土玩具がずらりと並んでいました。

その中に………いたんです。あの猫が!

 

ぼくは稲妻にうたれました。

 

しばらくその猫(佐原張子の招き猫)に釘付けになり、見とれていました。

 

その後、お店に入り、その張子で出来た招き猫を探しまわりました。

しかし、どこにも同じような招き猫は見当たらず、

ほどなくして、どうやら売り物ではないことがわかりました。

 

買えない、となると、ますます欲しくなるのが、人間の心理…

(いや、ぼくが強欲なだけでしょうか? それでも運命の出合いと思い込んで!)

「譲ってくれませんか? イベント期間終了後でいいから? どうしてもダメ??」

スタッフのお兄さんにあれこれ交渉しました。

優しいスタッフのお兄さんは、丁重に断った上で

その招き猫が「佐原張子」であることをメモに書いて教えてくださいました。

 

ぼくは家に帰ると、すぐにインターネットで「佐原張子」を調べ

翌日にはすぐに鎌田さんにお電話をしてしまいました。今思うと見ず知らずの方に

急にお電話するなんて失礼なことをしたなぁ、と大反省。

幸いにも何度電話しても誰も電話には出られなかったため

ぼくは電話をあきらめて、鎌田さんに手紙を書きました。

 

手紙の内容をちゃんと覚えておりませんが、鎌田さんの招き猫がいかにステキか、を

ひたすら書き、できれば1つ2つ譲っていただきたいと書いたと思います。

 

自分の鎌田さんの招き猫に対する熱い思いをそのまま書き出して、

落ち着いたのか、日々のことで、それどころではなくなったのか…

それからは特に佐原張子の情報を調べたり、

鎌田さんにご連絡することもなく月日が流れました。

 

そして手紙を投函して、半年が過ぎる頃

ぼくの手元に郵便小包が届きました。

 

なんと! 差出人は鎌田さんではないですか!?

 

鎌田さんのお名まえを目にしたその瞬間

あのなんとも愛らしい招き猫への思いがフラッシュバック!

いっきに心臓をばくばくさせて、その小包を開梱しました!

 

小包の中には、なんと大小1匹ずつの招き猫が!!

 

他には「作品を気に入ってくださり、ありがとうございます」とだけ書かれた

メモ書きと郵便振替の用紙だけが入っていました。

 

簡素なメモ書きに「朴とつとした職人かたぎの方に違いない!」と思い

そんな方がつくった招き猫がこんなに愛らしいなんてっ!! と

ぼくは、その小包の中身すべてに完全にやられてしまいました。

(鎌田さんに対するそんな最初のイメージは、その後

完全に裏切られるのですが…)

 

 

当時はすでに小社の営業部員でしたが、

「鎌田さんの弟子になる!」

そんな的外れな決意をしたことを覚えています。

 

そこから鎌田さんとゆるやかにおつきあいさせていただくことになりました。

(後編へ続く……)

 

 

※写真は、はじめて鎌田さんの工房を訪れた時に、

なぜか連れて行っていただいた合唱会の様子。

本誌でも描かせていただきましたが、客席にいたぼくの隣の席で

鎌田さんはこの壇上の方々誰よりもおおきな声で、

童謡「ふるさと」を歌われていました。

 

本誌イラストでは「合唱コンクール」と書きましたが、こうやって写真をみると

色々な方々が歌われた合唱会だったみたいです。

隣の席で朗々と歌う鎌田さんの印象が強過ぎて…記憶がおかしくなっておりました…