murmurbooks

新米社長福太郎便り

第5回 新米社長、初心忘るべからず 後編

 

IMG_2099

 

 

(前回「新米社長、初心忘るべからず 前編」からの続きです。このコーナー存続の危機になるほど間をあけすぎてしまいました……ほんとうに申し訳ございません! 梶山さん、続きを気にかけてくださり、ありがとう!)

 

 

 

春光さんに「あなたもこっちにいらっしゃい」と呼びとめられ

「ネイシ君も一緒に聞くといいよ」とみれいさんもすぐに招いてくれました。

 

そのとき、そこに残れたことが、その後の人生を変えてしまった。

といっても過言ではないと思うのです。

 

そこで春光さんから聞かせていただいた話は

男子と女子で別々の部屋に分かれて受けた学校の保健の授業で

ぼくだけが、なぜか女子の部屋に行き、授業を受けてしまったようなものでした。

しかも、女性である、他の編集部の方々ですら目からウロコな、

一般的な保健の授業では教えてもらえないようなことまで聞いてしまったのです!!

(前回お伝えしたように、春光さんはマーマーマガジン17号の取材を受けるかたちで

女性の性について、排経についてのおはなしをしてくれました)

 

男兄弟、男くさい体育会系、つるむ友だちも99%が男、で育ってきたぼくにとって

放心状態になりそうなほど、とても強烈で、ショッキングな内容でした。

 

でも、聞いているうちに

「たくさんの女性に、このことを聞いてもらいたい」と思うようになりました。

こんな情報が載っているマーマーマガジンは、

ほんとうにいい雑誌だなぁと心から思いました。

 

携われたしあわせと使命感みたいなものが、ふつふつとわいてくるのを感じました。

 

そして、それと同時に

「この話は男性も聞いた方がいい」

素直にそう思いました。

 

これは後付けですが、

真の男性性は、ぼくがそれまで居たマッチョな男性社会で生きる男性性ではなく

女性に対して、ほんとうの理解が生まれたとき、深まったときに

「守りたい」とか「理解したい」とか「役に立ちたい」とか

そういった思いが生まれてくるもののことではないか、と

現時点のぼくは思っています。

 

 

ともかく

なぜか女子の保健の授業を受けてしまった男子生徒のような放心状態……

そこからの「マーマー最高! マーマーのためならなんでもやったるでぇ!」

という高揚感により、ちょっとおかしなハイ状態になっていたぼくは

ほとんど走るように早歩きで、新宿・紀伊國屋書店に行き、

汗をだらだらと流しながら、鼻息あらく

店員さんに

「エ、エ、エ、エマニエル夫人!エマニエル夫人はありますか!?

み、み、み、美保純の!美保純の…………」と

矢継ぎ早にピンクDVDの在庫を確認。

 

挙げ句の果てには、よせばいいのに……

「いつもお世話になっております。マーマーマガジンのものです。

あっ、といっても今日入ったばかりのアルバイトです!」とご挨拶。

………………

 

あのときの店員さんの困惑した顔は今でも忘れられません。

完全にお店の空気をかき乱したあと

走るように早歩きで編集部に戻りました。

 

そんな調子だったので

ピンクDVDをみれいさんに渡して、自分の席にもどったときに

どっと疲れを感じたのを覚えています。

 

しかし、すぐにふつふつと、まるで温泉がぶくぶくと湧き出るように

なんともいえないやる気やワクワクがまたしても湧いてきました。

 

 

この日、春光さんに聞かせてもらったおはなしは、

ぼくの中のなにか大切な部分のスイッチを入れるものでした。

 

 

余談ですが、春光さんはその話の最後に

「今度彼女が出来たら、一緒に話を聞きにいらっしゃい」とぼくに

いってくれたのですが、そのはなしを聞いて

みれいさんは「なぬ?」と思ったそうです。

それでぼくに対する思いが顕在化していったそうです。

同じようにぼくも、みれいさんが将来結婚する人のはなしを春光さんに

しているのを聞いて「なぬ?」と思ったのを覚えています。

そういった意味でも

この春光さんのお話は、とっても大事になポイントだったのです。

 

今回お伝えした「新米社長、初心忘るべからず 前・後編」で起こった事は

すべて入社日一日に起こったことですが、エムエム・ブックスでは

こうした濃〜い一日がたびたび生まれます。

またそんな濃い一日のことをみなさんにご紹介できればと思います!

 

※写真は春光さんが2回目に編集部に遊びに来てくださったときのもの

(2012年12月のものです)