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新米社長福太郎便り

1トンのかぼちゃ
不定期更新

 

 

むかしむかし、あるところに

重さが1トンあるおおきなかぼちゃが

どてんと石のうえにのっかっていました。

 

 

 

わがままなタコ社長が

「なんだかおいら、このかぼちゃを動かしたいよ」と

庭師のしょうじさんにたのみました。

 

 

 

「じゃあ、みんなで力をあわせてやってみましょう」としょうじさん。

 

まずは、

かぼちゃの下に板をかませてさかをおろそう! ということになりました

 

 

しかし・・・

おとこ四人で持ちあげようとしても・・・・

とてもとても持ちあがりません

 

 

 

 

押したり

引いたり

縄でひっぱたり

それでも

おおきなかぼちゃはびくともしません

 

 

なんとかななめにして

すべらせようとしても・・・

 

いっこうにすべる気配はありません

 

 

まさにはっぽうふさがりとはこのこと・・・

 

 

 

すっかりこまり果ててしまったおとこたちは・・・

 

藁のちからをかりることにしました

 

 

 

「お願いです、お願いです」

 

祈るように藁を敷きつめていきます

 

 

すると・・・・

 

 

どうでしょう!!!

 

 

 

 

 

おおきなかぼちゃは下におりてきてくれました

 

これにはおとこたちもおおよろこびです

 

すっかり気をよくしたおとこたちは

 

「えっへん! ここからはおいらの力で転がしてみせるぞ!」と

 

 

おおきなかぼちゃを

おきあがらせてころがしてしまおう、と

ありったけのちからをこめておおきなかぼちゃに

かかっていきました

 

 

 

しかし・・・

おとこたちがどんなに顔をまっかにして

かぼちゃを起き上がらせようとしても・・・

 

おおきなかぼちゃはびくともしませんでした・・・

 

 

 

 

「よしっ! それなら四人で力をあわせて起き上がらせてみせるぜっ!」と

 

 

 

 

えっさほいさ

「おれたちのちからなら〜」と

ふんばりますが・・・

 

 

 

うんともすんともいかず・・・・

 

ありゃりゃ、

最後は笑って、ちからがはいらないや・・・

 

 

 

 

「あれ?動かすの無理じゃない?」

あきらめムードでいっきに意気消沈したおとこたち

 

「”ころころ”でいこう」

だれかがつぶやきました

 

しずかに”ころころ”のじゅんびにとりかかりました

 

 

 

 

すると・・・

 

 

 

 

 

なんと大成功!

下に置いた丸木のうえを

おおきなかぼちゃがころころころがってくるではありませんか!!!

 

 

 

 

動くとなれば、

とたんに氣がおおきくなったおとこたち

 

ここぞとばかりに大声をあげました

 

「せーのッ!」

 

「うんこらどっこい!」

 

「うっふーーーん!」

 

さっきまでの意気消沈ムードはどこへやら・・・

 

なんとも、なんとも

 

 

 

ころころ列車の終着駅に着くと

こんどはのぼり坂です・・・

 

坂をくだらせて、よこに移動させるだけでも

これだけ大変だったのに、のぼり坂を登らせるなんてっ!!

「なんで坂をくだらせちゃったんだろう・・・」と

ふたたび意気消沈モードになるおとこたち・・・

 

 

しかし・・・・

 

庭師のしょうたさんのスペシャルアイテムが登場!

 

「ここからは楽勝ッス!」と力強いことばをはなつ

最年少のおとこの両肩にすべてがかかることになりました

 

 

 

庭師さんたちは手慣れた手つきで

ゆっくりゆっくりと

おおきなかぼちゃに坂を登らせていきます

 

 

 

あとちょっと

あとちょっと

 

 

 

 

すっかり日も暮れた頃・・・

 

おおきなかぼちゃは

タコ社長が希望していた場所に

どっしりと座っておりましたとさ・・・

 

 

おしまい

 

 

(福太郎)