#33 わたしの手帖インタビュー5
毎週木曜更新!
旧暦や七十二候と、自然のリズムのはなし
『わたしの手帖2018』、現在、絶賛!好評発売中です!
近くの本屋さんで売っている様子を、毎日見に行っているのですが(笑)、
どちらの色も順調に売れているようで、
うれしさに胸がいっぱいになっております。
品薄になってきているお店もあるようなので、
お早めに行ってみてくださいね。
ぜひ、覗いてみてください。
さて、いよいよ秋も深まって、
各地で紅葉のお知らせが聞こえてきますね。
本屋さんの帰りなどに、わたしがときどき立ち寄るのは
大きなけやきがある公園。
少しずつ葉が色づく様子を見ながら、
『わたしの手帖』を開いてみると、
何かヒントやメッセージが受け取れるかも。
今回は、手帖に詰まっている自然の知恵のお話です。
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◎自然のリズムに寄り添えば、最小限の力で最大のことができる
野田 前回の「なんでこんなに余裕がないんだろう問題」の話を、まだ引きずっているんですが。わたし、会社を辞めてフリーランスになってから痛切に感じるのが、自分の時間を確保する難しさで……。
服部 そうそう。実は、フリーランスって自由じゃない側面がありますよね。仕事がしたいから、オーダーをどんどん引き受けてしまうし。
野田 そうなんですよね。しかもなかなか予定通りにいかなくて、忙しい時期が重なってしまったり……。自分だけでは調整できないこともあるので、本当に難しいです。昼夜を問わず働いて何とかするしかない、と思うんですけど、それでもうまくいかないこともあって。ハードなお仕事をされている方や、子育てや介護をされている方など、時間がないという悩みを抱えている方は多そうですよね。
服部 わたしもフリーランスのときはそうでした。どんどん働き詰めになっちゃいますよね。実は、それが、冷えとり健康法や瞑想をはじめたきっかけでもあるんです。
野田 ええ! そうなんですか?
服部 はい。ある時、もうシンクロニシティを起こすしかない、と思ったんです。日程調整って、タイミングが大事だったりしますよね。これは少しスピリチュアルなお話ですけど、わたし自身が調和的になっていれば、必ず外側の世界、外側からくるものも調和的になるはず、と考えたんです。限られた時間の中で、いかに合理的に動くか、ということを考えると、運のよさ、感のよさみたいなものがすごく大事になってくるんですね。
野田 奇跡みたいなことが起こる、ということでしょうか。
服部 たとえば、仕事がいくつも重なって大変なときに、タイミングよく助けてくれる人が現われたり、必要な知恵に出合えたりする、ということです。実際に瞑想などをやっていると自分をよい状態に保つことができ、最小限の力で、無理なくスムーズに、最大のことができるという体験が増えていくんです。話だけ聞くと不思議な感じがするかもしれませんが、自然界を見ると、もともとそういうしくみになっていることがわかるはずです。たとえば植物の種なんて、すごくちっちゃいけど、そこからものすごいことが起こるでしょう?
野田 確かに。何十倍もの大きさになって、最後には実がなりますね。
服部 自然は特になんでもそう。壮大なシンクロニシティの宝庫みたいな世界なんです。そこに学ぶことは多いですし、わたしたち人間も自然の一部。自然界の法則を知り活かすことで、自然を見方にし調和の波に乗ることができます。
野田 今回の手帖では、旧暦や七十二候にクローズアップして、季節の知恵を提案するコーナーを設けたり、七十二候がひと目でわかるようにマンスリーカレンダーを変えたりしてきましたが、これもまた、自然のシンクロニシティを体感するためのものなんでしょうか?
服部 まさにそうなんです! 自然界って、最小のものから最大のものを得られる世界なんですよね。そのスムーズさを体感するためにも、旧暦や七十二候、月の満ち欠けを意識するというのは、ほんとういいことだと思います。時間がなかったりして、冷えとり健康法や瞑想に取り組むのは難しいという方でも、暦を意識することはできますよね。何より、頭で考えなくても、からだはすでに知っているんです。月の満ち欠けが女性のからだに影響を与えている、という話は有名ですよね。
野田 よく、月の満ち欠けの周期とと生理の周期が重なるっていいますよね。
服部 そうそう。お産もが満月や新月の日に集中する、という話も聞きますよね。同じように、からだは季節の移り変わりも体感しているんです。
野田 そういえば、整体の先生が、春になるとからだが毒素を排出しようとするから、くしゃみや鼻水が出るんだといっていました。これはまさに自然とからだのリズムが一致している、ということですよね。
服部 わたしも美濃で暮らすようになってから、よりいっそう山や川、空、土……そういうものの変化を感じるようになったんですが、自然を感じて生きると、ほんとうにからだもこころも元気になるのを感じます。生活にも余裕ができてたのしいですし。
野田 都会に住んでいる人も、七十二候を手がかりにすると、自然を感じることができそうですね。
服部 七十二候は「もみじが色づきはじめる」とか「つばめがやってくる」とか、そういう自然の変化を伝える言葉なので、たとえ都会の満員電車の中でも、それを見ることで、自然を意識することはできますよね。それによって、必ず自分にとっての「自然」への意識がもっと増えるはず。みなさんには、季節や自然を感じて、「スムーズにうまくいく」っていう体験をもっともっとしていただきたいんです。自然のリズムに乗ることができれば、運もきっとよくなるし、物事もスムーズになると思います。
野田 前回のお話に戻すと、そうやって自然の力を味方にできると、自分の創造性も発揮しやすくなる、ということなんですね。
服部 そういうことです! エッセイやワークを通じて自分を深く知るということ、暦の知恵を借りて自然のリズムに乗るということ。それらはすべて、自分らしさ=クリエイティビティの発揮につながってくるはずです。
◎ことばを味方につけて
野田 2018年版の手帖にも収録している「服部みれいのことば」は、実は「毎月のエッセイ」に次ぐ人気コーナーなんですよね。
服部 ウィークリーカレンダーのページに入っているコーナーですね。
野田 はい、みれいさんの著作やメルマガ、ブログから言葉を選んで載せているんですが、これも、季節とのリンクを少し意識しながら選んでいるんです。12月は忘年会などで胃が疲れているだろうから、食に関することばを入れよう、とか、2月は冷え込むから足湯の話を入れよう、とか。
服部 ここでも、何かヒントになることばが見つかるといいです!
野田 あとは「毎月のエッセイ」のテーマとのつながりを考えて、選んだことばもありますね。
服部 ね! だから、いっしょに読むことで、毎月のワークの強度が増すという効果もあるかもしれませんね。もちろん、パッとページを開いてみて、そこからメッセージを受け取る、というたのしみかたもあるので、そこは気分に合わせて選んでいただければと思います。
野田 今回は、わたしがことばのセレクトを担当したんです。
服部 どうでしたか? 選んでみて。
野田 たのしかったです! 何度も読んだ本でも、読むたびにハッとすることばって、違っているんですよね。最近、みれいさんの本や「マーマーマガジン」と出合った方と、以前からのファンの方、どちらにとっても発見があるといいな、と思っています。
服部 最新のブログやメルマガからも、けっこうたくさんことばを引用していますよね。
野田 やっぱり最近のみれいさんの気分を反映させたい、という気持ちもあったので。そこで気になったことばがあれば、ぜひ、みれいさんのブログのほうもを読み返していただければ、うれしいです。
***
今回のお話、いかがでしたでしょうか。
「限られた時間の中で、いかに合理的に動くか」というテーマは
わたしにとっても切実な問題なので、
はっとさせられることばがたくさんありました。
みなさんにも、ぜひ、この手帖をヒントに、
「季節や自然を感じて、自然のリズムに乗る」
という感覚を味わっていただきたいと思います!
(野田りえ)