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マーマーなリレーエッセイ

#31 わたしの手帖インタビュー3
毎週木曜更新!

『わたしの手帖2018』カバーの裏ばなし3

 

 

2018年版の『わたしの手帖』、無事に完成しました!!!

 

 

できあがった手帖を見ると、

あらためてかわいいなーとニヤニヤしてしまいます(親バカ)。

 

11月11日の発売日に向けて、ご予約くださったお客さまや、

本屋さんにお届けしてまいりますので、

ぜひ、お手にとってご覧くださいね。

 

「2018年版の手帖って、どんな感じ?」と気になって

この「マーマーなリレーエッセイ」を見に来てくださった方は、

ぜひ「#25 わたしの手帖2018 第2回」くらいまで

さかのぼってみていただければと思います。

 

そして、今週も手帖インタビューの続編をお届けします。

まだまだ、カバーの裏話があったのです。

 

 

◎幻の「カバーなし」案があった!

 

野田 こうして完成したカバーを見ると、2種類のゴールドにしてよかった〜、としみじみ思うんですが、実は、「カバーをなくす」という案もあったんですよね。今だから話せる裏話ですが。

 

服部 『マーマーマガジン フォーメン』で中島正さん特集をやって以来、わたしの中で「自分のものは自分でつくる」ブームが盛り上がっていたんですよね。だから手帖のカバーもなしにして、全員につくってもらったらどうかと思って。

 

野田 斬新なアイデアでしたよね……。

 

服部 案としてはよかったんですけどね。ただ、現実問題として、お忙しい方も多いですし、いきなり手づくりだとハードルが高いという方もいらっしゃるんじゃないか、という話になり、途中で方向転換して、いまのカバーになったんです。

 

野田 そのかわり、作家さんに手づくりカバーをお願いしているんですよね。

 

服部 はい。『フォーメン』の「裁縫的」というコーナーで、お裁縫の指導をしていただいたクラフト作家のomotoさんに、カバーをお願いしていて。少量ですけど「エムエム・ブックスみの」で販売する予定です。あとは、手づくりカバーのワークショップをちょっとずつやっていきたいなと思っていて。

 

 

野田 自作のカバーで手帖の模様替えもできる、ということですね。それもたのしそう!

 

服部 これまでお話したように、思いを込めてゴールドを選んだので、それはそれでたのしんでいただきたいんですが、ちょっと気分を変えたくなったりしたら、自分でカバーをつくるという方法もある、というのはお伝えしていきたいです。

 

野田 手帖のカバーの色からメッセージを受け取る、というたのしみ方もあるし、オリジナルのカバーをつくるというたのしみ方もある。そういうふうに手帖で自由にあそんでもらえたら、うれしいですね。

 

 

 

◎自分のものを自分でつくる、ということ

 

服部 いずれにしてもこれからは、自分のものは自分でつくるということを、もっと盛り上げていきたいなと思っているんです。今後トライしてみたいことなんですが、もし下着を自分でつくったら、市販されているものとは、全然違う感覚のものができるのでは? と思ったりしていて。

 

野田 締めつけ感のない、肌触りのよいものができそうですね。デザインも好みのものにできたら素敵!

 

服部 ですよね。買ったものではなく、自分でつくったものを身につけたり食べたりすることって、自分の意識や存在にとって、とてもとても大事だと思うんです。わたしは美濃に行ってから野菜をつくるようになり、今年からはお米づくりもはじめたんですが、もうすぐ、はじめて収穫したお米を食べられるんです!

 

野田 それ、すごいごちそう!

 

服部 ね! とってもたのしみにしていて。ここ1〜2年、自分の畑でとれたものを自分で食べる、ということを続けているんですが、やっぱりそれって、「メチャクチャいい」ものなんです。有無をいわさずパワフルというか。

 

野田 個人的な実感として「いい」という意味ですか?

 

服部 そうです。エコロジーの観点からいいとか、味がおいしいとか、そういうレベルを超えているものだと思います。自分がつくった食べものを自分が食べるとか、自分で服のほつれをかわいく直すというのは、自分自身の意識により深く関わることですよね。

 

野田 たしかに、外食するのもたのしいですけど、自分でつくるほうが、「あー、私、こういうものが食べたかったんだ!」って、ぴたっときたりしますね。

 

服部 はい。そういった体験の裏には意識の世界が深くかかわっている気がしていて……。からだのケアなどもそうですが、やっぱり、自分に深く関わる行為って、自分を元気にしてくれるものなんだと思うんです。毎日使う手帖だって、自分が手づくりしたもので覆われていたら、うれしくなりませんか?

 

野田 そうですね。愛着がわくと思います。

 

服部 『わたしの手帖』の前身の『あたらしい自分になる手帖』のときには、カスタマイズが流行りましたよね。ビニールカバーの中に好きな絵を入れるとか。

 

野田 読者のみなさん、たのしんでいらっしゃいましたね。

 

服部 今もステッカーを貼ったり、シールを貼ったり、ペンホルダーをつけたり、いろんな工夫をしている方がいらっしゃると思うんですけど。いずれは、手帖のカバー自体を、みんなが自分で縫いはじめて自分で使う、というムーブメントをぜひ起こせたらいいな、と思っています。

 

◎気楽につくるほうが、かわいくできる!

 

野田 手づくりというと、大変そうなイメージがありますが、手縫いでいける範囲なら、気軽にできるかもしれませんね。わたし、ふだんはボタン付けくらいしかしてないんですけど、昔、ブックカバーを手縫いでつくったのを思い出しました

 

服部 へえ、すごい! どんな布でつくったんですか?

 

野田 リバティの布です。生地屋さんで端切れを見つけて、かわいいな〜と思って衝動買いして。せっかく買ったし何かつくろうかな、と思ったのがきっかけですね。

 

服部 それくらい、軽い気持ちではじめられるといいですよね。

 

野田 そういえば、今日、懐かしいものを見つけてもってきたんです。

 

 

服部 わー、これ、中身は『あたらしい自分になる手帖』ですね!

 

野田 そう、そのときに自分で手帖カバーをつくっていたんです。ミシン持っていなんで、やっぱり手縫いで。付箋を入れるポケットや、ペンホルダーなど、自分があるといいな、と思うものを盛り込んだりして、おもしろかったです。縫い目はガタガタで、1年使ったらほつれてきちゃったんですが、愛着があるので捨てられなくて。ふだん縫い物をしないわたしができたということは、みなさんもできる気がします(笑)。

 

服部 できますよね。好きな布を選ぶところからはじめるのも、たのしいと思う!

 

野田 それこそ自分の服でつくってもいいですもんね

 

服部 あっ、いいですね。思い出の服とかね。わたしも母の形見をどうするか考えていて。母が使っていたかばんをリメイクしてみようかな、と思ったりしているんです。

 

野田 そういう昔の素材を、今風のセンスでリメイクされる方も出てきそうですよね。

 

服部 そうだ、今からみんなに準備しておいてもらいましょう。手帖カバーコンテストをやってもいいですね、来年は。みなさんがどんなカバーをつくるか、見せてもらいたい。

 

野田 それ、おもしろそう!

 

服部 読者の方も、気軽にたのしんでくださるといいな、と思います。ワクワクしませんか? 来年こんなカバーをつくろう、とか考えるのって。手帖カバーづくりが、自分のものを自分でつくるという機会のひとつになったらおもしろいですよね。

 

野田 きれいにつくろう、とか思わないでたのしむのがポイントですよね。

 

服部 そうそう。ちなみにうちの営業兼社長をやっている福太郎さんは、刺し子にハマっているんです。夜、何をやっているのかな? と思うと、無心で刺し子をやっていたりして。

 

野田 すごい! 刺し子男子だ。

 

服部 omotoさんのワークショップに行って、刺し子に目覚めたみたいで。水筒のボトルカバーに刺し子をしたり、Tシャツに刺し子をしたりしていますよ。もちろん、縫い目は粗かったりもするけど、すごくかわいいです。あと、リュックサックに布を張り付けて、自分でポケットをつくったり。

 

 

野田 大胆なアイデア! でもいいですね。

 

服部 ものが入ればいい、というくらいの気持ちでやっているから、寸法をきっちり測ったりしているわけではないと思うんですけど、それでもかわいい。

 

野田 大胆にやってしまうほうが、かわいく見えたりしますよね。

 

服部 そうそう。完成度の高いものを目指すよりは、好きな布を取っておいて、「手帖カバーに使おう」くらいの気分で取り組むのがたのしいですよね。だからみなさん、2019年に向けて布をぜひ取っておいてください。わたしもやってみたくなってきちゃった。レースとか使っても、かわいいですよね!

 

***

 

カバーだけで、ここまで話が広がるとは!

でも、この「つくる」というお話は、

実は2018年版の手帖のテーマとも、深くつながっているのです。

それについては、また来週に。

 

インタビュー中に出てきたomotoさん作の手帖カバーや、

手づくりカバーのワークショップについては、

何か決まったらまた、お知らせしていきますね。

(野田りえ)