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今日の編集部

今日の編集部(6/4)

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マーマーマガジン編集部では、蚕さんがそろそろ繭をつくる段階…

みんなそわそわしているけれど、ひときわそわそわしているのが

夜は家に持って帰ってまでお世話をしているスタッフの山田さん

そして桑の葉をとってきたり、山田さんが東京出張時は里親として

育てた、ぼくの父親。

 

父は、今日は朝から蚕さんの寝床作りをしています。

 

外は快晴、風もあって心地がいい

この平和でのほほんとした雰囲気の中…

 

突如、作動した個人的なとんでもない記憶のクリーニング!!

 

父がつくっている蚕さんの寝床を、見ていたら

小学校低学年の時のことを、不意に思い出しました。

 

当時流行っていたミニ四駆というモーターで走るプラモデルのような

おもちゃは、車体を軽量化することで、より速く走ることができました。

 

ミニ四駆の雑誌では、車体の窓やシャーシを(ヤスリなどで? )

削っているかっこいい、そして速く走る車が紹介されていました。

 

ぼくも、そんな車を作りたくて、当時工務店のようなところに

勤めていた父に、窓やシャーシを削ってきてくれるよう頼みました。

 

父は、ぼくのミニ四駆を持って出社していきました。

その日の夜は父が帰ってくるのが待ち遠しくてたまらなかったと思います。

そして父は、けっこう遅い時間に帰って来たと思います。

 

「ミニ四駆は?」と期待に胸をふくらませて父の元へ

「はい!」と手渡されたミニ四駆は…

ぼくの想像とは全然違うものでした。

削ってある面がガサガサしていて、ものすごくぶかっこう……

 

ぼくは「こんなもの、ちがう!!」とミニ四駆を投げ捨てました!

 

そのときです。

温厚だけが取り柄のような父が

ものすごく怒りました。今にも殴られそうになった時、母が間に入ってとめてくれました。

 

後にも先にも

あんな父をみることはありませんでした(この先はわからないけれど)。

 

この時のこと、ぼくが悪いのかもしれませんが

当時の僕はけっこうショック受けたと思うんです。

ずっと覚えているくせに、なにもなかったかのように

忘れていることを装っている自分がいることに気づきました。

 

 

今に戻ります。

父が工作をしているところを目撃して、当時の事を思い出して

ぼくが強く思ったことは…

 

「いや、父には申し訳ないけれど、ほんとうに期待はずれだったんだよな〜

わかるよ。そりゃミニ四駆も投げ捨てたくなるよ!」と

当時の自分に自己共感することでした。

 

父や自分を責めるのではなく、謝るのでもなく、

ショックを受けた自分にただ共感しました。

 

それだけで、ぼくの中の当時の自分(インナーチャイルド、ウニヒピリ)が

ものすごく満たされたのを感じました。

 

怒った父への恐怖心、温厚な父を怒らせてしまった自責の念

時空をこえて、今こうしてクリーニングできること

もちろん100%すべてクリーニングできたとは思いません。

それでも、まさか、こんなクリーニングのチャンスがやってくるとは!

蚕さんがもたらしてくれるギフト!

ほんとうに感謝です。

 

ちなみに父が作り上げた繭の寝床

仕上がりを見せられましたが、ぼくは感想もなにも言いませんでした(嫌な奴ですよね)

もちろん大人になった今は、父にとても感謝しております。

 

 

当時のぼくや今のぼくのかわりに、父の上司である山田さんが

「お父さん、天才!」

「最高です!ほんとうに職人さんですね!」など

父を褒めちぎってくれました。

 

それだけで父はとても満足そうでした。

 

 

 

自己共感については『murmur magazine for men 創刊号』の

海ソーヤーさんの連載をご参照ください!

 

7月24日(金)に名古屋で

7月25・26日(土日)に美濃の編集部で

海さんの共感ワークショップを開催予定です!

また詳細は後日お知らせいたしますね!

 

 

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