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今日の編集部

新刊進めてます 読書欲高まってます

 

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こんにちは。

ここにきてなおいっそう、

梅雨めいてきましたね。

 

 

現在、編集部では

『わたしの手帖 2017』

『日めくりッ コンシャスプランカレンダー 2017』

『マーマーマガジン』22号

 

そして、

不食暦8年の弁護士としておなじみ

秋山佳胤さんのご著書が

同時進行で進んでいます。

 

 

中でも、一番発売時期が近いのが

秋山さんのご著書です。

 

もう原稿は確定しつつあり、

また、表紙デザインも来まりつつあります

(ADは、

『あたらしい自分になる本』

のデザインでおなじみ、

中島基文さん。

すてきなデザインになりそうです!)。

 

 

単独で書籍の編集を

担当するのははじめての、

あいかわらず新米編集者なわたし。

 

(単独の担当とはいえ、

編集長のみれいさんや

中島さんなど、みなさまに

いろいろなことを

教えていただきながら、

なのですが!)

 

わくわくしながら、

日々、進めています。

みなさまの手に届く日が待ち遠しいです!

 

 

先日のこと。

 

編集の作業は、刺激的でたのしいのですが

一方で、やらなくてはならないことが山積みです。

 

だからときどき、

「本当に完成するのかしら?」

と不安になることがあります。

 

そのときも、

ちょうど不安に駆られていた

一瞬だったのですが、

秋山さんのご著書の

現段階の原稿を読み終わったばかりの

福太郎社長がふと、

 

「原稿、読んだけど、おもしかったよ。

いい本になるね!」

 

と、いってくれました。

 

うれしかったなぁ。

それだけで、やる気倍増です。

 

いつの世も

新米は単純ですね(笑)。

 

 

そういえば福太郎さん、

編集部所蔵の

『暮しの手帖』バックナンバーを

すごいスピードで読みまくっている

と聞きました。

 

福太郎さんとみれいさんに

「ミリちゃんも読んだら?」といわれました。

 

たしかに自分も「いつか読みたい」

と思っていました。

 

「『いつかやろう』は、ばか野郎」

というわけで、

少しずつ読んでいるのですが、

おっもしろいですねぇ!

 

表現が、パンク!

 

 

意外すぎて印象的だった記事は、

1964年に出た第73号に載っていた、

フクロを使うことを勧める女性と

ふろしきを勧める女性の対談記事です。

 

 

匿名のふたりは、最初は

フクロとふろしきの便利さを、

たとえば

 

「フクロは、なんでも気らくに

ポンポンほうりこむだけでいいのが、

なんともいえないよさね」

 

「ふろしきなら、つつむものの

大きさ、カタチに合せて

まとめられるもの」

 

というふうな感じで、

それぞれ具体的に語ります。

 

しかし、議論が白熱するに従い、

こじつけ合いの、ディスり合い

のような雰囲気に……。

 

結論が出ぬまま、

 

「大黒さまや福の神が、

ふろしきづつみを背負ってるかしら。

ふろしきをかついでいるのは、

ドロボーくらいじゃないの」

 

「おあいにくさま、

風の神にビンボー神だって、

フクロを背負ってますわよーだ」

 

で、記事が終わるという(笑)。

 

 

記事の終わりかたの突き抜けぶりを見るに、たぶん

実際の対談を収録したものではなく

花森安治さんが、フィクションとして

書かれたものかなと思います。

 

ズッコケ感が、

すごくおもしろかった。

しかも、当時としては

有用な記事だったのでしょう。

 

 

この前、ほかのスタッフたちと

夜ご飯をつくって食べていたときに、

この記事の話をしたら、

笑いをドッカン、かっ去りました。

 

小噺をありがとうございます、

花森安治さん……!

 

 

最近、読書欲が高まっていて

『暮しの手帖』のほかにも、

いろいろな本を同時進行で読んでいます。

 

読み終わったばかりなのが

今村夏子さんの『こちらあみ子』です。

すごくおもしろかったです。

 

ナメたらケガする子ども小説、という感じ。

(子ども小説というのは、

子どもが主人公、という意味です)

 

ちょっと、尾崎翠の『第七官界彷徨』の

夢と現が入り混じる雰囲気と通ずるところも

あるような。好みです。

 

でも、クライマックスの刹那感は

きっちり現代的でもある。

 

 

ちなみに、今村さんの『あひる』という作品は

最新の芥川賞の候補になっています

(7月19日に受賞作がわかります)。

 

『あひる』が掲載されたのが、

九州の『たべるのがおそい』という文芸誌で、

大手出版社の文芸誌ではないということでも

話題になっているようです。

 

 

同じく大手ではない

『マーマーマガジン』編集部の立場から見ても

この時代の流れ、喜ばしく感じます。

 

 

時代はいつも、いいほうに行っていると信じています。

 

(川口ミリ)