murmurbooks

今日の編集部

えっきょう! 美濃まつりの夜

 

FullSizeRender

 

4月のはじめに初体験した美濃まつり。

昼の花みこしの迫力はすでにお伝えしましたところ。

今日は、夜のことをば、少し。

 

 

まつりの夜に行われる伝統芸能、それが

「美濃流し仁輪加(にわか)」です。

 

どういうものかというと、2~3人の役者

(一般住民の男性たちが演じます)が登場し、

ド派手&ちょっぴりおかしなコスプレをして

ユーモアたっぷりに物語を展開し、

最後にオチをつける寸劇です。

 

にわか自体は全国のいくつかの地域で

行なわれているようなのですが、

美濃では、お囃子を演奏しながら

町の辻つじで上演して歩くことから

特に「流しにわか」と呼ばれているそう。

 

まつりの日の夕方から、

各町のにわか一座(役者とお囃子隊)が

赤ちょうちんをぶら下げて、市内を練り歩きます。

そして、やはり町ごとにある、にわか上演用の

垂れ幕の下がった辻に到着すると、寸劇を行い、

終わると、また次の辻へと歩きはじめます。

 

このお囃子、独特の幽玄さや情緒があります。

でも寸劇がはじまった瞬間、一気にユーモラスなムードに!

 

寸劇自体は、落語とコントの中間という感じの印象。

ときには演者の、ド派手なコスプレのビジュアルで

観客が沸く場合ももちろんありますが、

本来は、限りなく落語寄りだったのではないかな、と推測します。

つまり、語りことばの芸能というか……。

 

というのは、オチが必ず、

おもに時事ネタのシャレなんです。

「不倫(ふりん)」と「風鈴(ふうりん)」とか!

(今年はさすがに不倫ネタが多かったです)

 

で、クライマックスのオチの前後に、

お決まりの、3段のかけ声を、

お囃子隊や観客など周囲がいうのですが、

この参加型なところが、またたのしいです。

 

(役者、謎かけをする)

1、「これまたどうしてじゃな?」=訳:これはまたどうしてでしょう?

(役者、謎かけをわかりやすく復唱)

2、「どうじゃら?」=訳:どうしてなのですか?

(役者、オチをいう)

3、「えっきょう!」=訳:うまい!

 

方言がすてきなんです。

 

寸劇にも、

「おまんはんた(あなたたち)」、

「このじん(このひと)」、

語尾「〜なも」などが登場します。

美濃の方言色がかなり強めなところが、

伝統と愛嬌を感じられて、

ほんとうにいいです。

 

 

にわかは、美濃まつりの2日間ともに行われ、

1日ずつネタが変わるんです

(ちなみに脚本は各町民が書きます)。

2日とも、じっくり見入っちゃいました。

口から発することばの表現には、

文学とはまたちがうかっこよさがあります。

 

 

人前に出て、

ことばを発して表現を行うという点では

ラップも同じです。

 

もうほんとうに好きでしかたない

テレビ番組「高校生ラップ選手権」や、

巷で流行っていると聞く

「フリースタイルダンジョン」を観ながら

すごい、すごい、といつも感服しています。

 

 

美濃流しにわかは、

ふだん、町でごく一般的に生活を送っている人たちが

脚本を書き、演技をし、劇を構成するところがすごいし、

上で挙げた2つの番組のフリースタイルバトルは、

プロアマ問わず、ラッパーの人たちが

即興でテキストを織り上げることで闘い合う、

という行為自体が、何というか、もう圧巻。

 

ちなみに、

最近放映された「高校生ラップ選手権」最新回では、

(以下、ネタバレです。念のため)

 

岐阜の大垣の若者が

かなりのダークホースで、優勝したんです。

お寿司屋さんで週6バイトして、

ラッパーとして活動している18歳。

即興で、すごい数の韻、踏んでました

(「韻がかたい」ってやつです)。

 

 

にわかとラップ……

少々強引かもしれませんが、もしかして

岐阜って、弁の立つ方が多いのかしら。

(経験上、明るくほがらかな人が多いのはたしかだと思います)

 

え、まさか、このまま岐阜で暮らしたら、

わたしのちょい上がり症なところも直る?(笑)

 

 

ところで先週末、ゴールデンウィークの

「エムエム・ブックス みの」のイベントの情報を

公開させていただきました。

◎4/29、5/1は、平松モモコさんの似顔絵屋さん(わたしも描いてもらうゾ!)

◎5/3〜5は、福引ガチャポン(スペシャルグッズが漏れなく当たる!)

くわしくはこちらからご覧くださいませ。

 

(川口ミリ)