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今なぜ佐々琢哉展か

 

これは、佐々琢哉さんによる、
8年の自立した自給暮らし実践の記録でありながら、
暮らし自体が表現であり芸術であるという展示である。

これは、絵の展示販売会ではない。道具の閲覧会ではない。
これは、ひとりひとりの暮らしこそ表現であり、
暮らしが芸術であるという宣言だ。

『佐々琢哉暮らしの道具展』といったタイトルではなく、
『佐々琢哉展』とした経緯は、ひとりひとりとその暮らしが
紛れもなく芸術であり、そのものが表現であり、豊かで力強くうつくしいのだといいたいからだ。

人間はともすると、とんでもなく猛烈に破壊的な方向へ舵を切ることがある。
自分を無意識の中にほうり、自暴自棄に毒を撒き散らすこともある。

一方で、ひとりひとりに内在する「自然」につながり、
そこから何かを発露する時、
果てしなくうつくしく豊かであることができる。
外側がどうであれ力強くたくましく幸福に生き続けることができる。
それを調和的に拡大していくことができる。
ほんらいの自分であるという存在そのものが、まわりをも照らし自動的に幸福にする存在になれる。

佐々琢哉さんは、こういったことを、暮らしごと、からだごと表現している人物である。

人が、100%自分の責任で暮らすということ、
誰にも依拠することなく、個を確立し、あるものに満足して、
土とともに生きるということを体現している。

「生殺与奪の権」を誰にも渡さない、生きかた。
そして誰の「生殺与奪の権」も奪わない、暮らしかた。

2021年6月中に開催するにあたり、今こそ、
あえてオンラインで
世界中の人に、
この佐々琢哉展を表現しようと思った。
本展は、手探りながらパーマカルチャーや中島正さんの民族皆農の思想や、
あるいは自分で自分を大切にすること、そして目に見えない世界を大切にする
mmbooksの現在の思いそのものでもある。

世界は、今、ほんとうに、変わろうとしているし、
次なる世界へのヒントが佐々くんの暮らしに詰まっている。
わたしたちは、ほんとうの意味で平和で健康で調和的な世界を、
いわゆる「平和運動」や「環境活動」ではなくて、
自分ひとりの選択から、
いや、なんと、ひとりひとりの暮らしの営みの仕方によって、
つくっていく鍵を手にしているのだ。

 

◎声のメルマガ最新号のゲスト佐々琢哉さんです
http://murmurmagazine.com/desk-tayori/18192/
https://note.com/murmur_magazine/n/n89903d2938ae

 

◎夏至ライブ満員御礼ですが アーカイブ配信あります
古くてあたらしい暮らしを実践する四人による暮らしのお話 ぜひご注目ください
http://murmurmagazine.com/shop-event/18137/

 

(マーマーマガジン編集部 服部みれい)