murmurbooks

手帖&カレンダーインタビュー7

 

2019年も、もうすぐ終わり。

いよいよ2020年がスタートしますね!

 

365日 日めくりッ ラブ2020カレンダー』は2020年1月1日はじまり。

ぜひあたらしい年を、あたらしいカレンダーでお迎えくださいね。

(『わたしのきんいろ手帖』も、そろそろ切り替えの時期です!)

 

365日 日めくりッ ラブ2020カレンダー』『わたしのきんいろ手帖』ともに

販売店は、こちらのリンク先をご参照ください。

 

もしお近くに販売店がない場合は、

マーマーなブックス アンド ソックスをご利用ください。

 

12月28日(土)午前中までにご注文いただければ、年内に発送いたします。

年明けから使い始めたい場合はお早めに。

ウェブショップ自体は年末年始も開店していますが、

発送作業は12月30日(月)~1月5日(日)まで休業し、

1月6日(月)から再開いたします。

 

今回は『365日 日めくりッ ラブ2020カレンダー』インタビューの最終回。

ほとんどが余談(しかもわたしの失敗話……)になりますが、

このカレンダーをたのしんで使うヒントになることがあればと思い、

恥を偲んで公開します……!

 

***

 

◯星からのメッセージにも注目!

 

野田 手帖にはない、この日めくりカレンダーの特徴として、星の動きが載っているということがありますよね。西洋占星術を通して、星や自然のエネルギーを研究しているふぇみにゃんさんに、2020年に起こる星の動きの中から、わたしたちが意識しておくとよいことをピックアップしていただきました。

 

服部 そういった星の情報が載っているっていうのは、この日めくりカレンダーの個性となっていますよね。

 

野田 わたしは今回、ふぇみにゃんさんから星の動きがもたらす意味を教えていただいて、すごく目が開かれる思いがありました。占星術の観点からしても、2020年はみずがめ座で大きな星の動きがあって、個人が独自性を発揮する機運が高まっていくとか。

 

服部 そうそう。さらに2020年12月には、20年に一度のグレートコンジャクションという現象が起こって、物質ではなく、自由を重んじる「風の時代」になるというお話でししたね。

 

野田 こうした星の動きがもたらす影響と、服部さんが感じているあたらしい時代の気配が一致していたりするのがおもしろいな、と思いました。服部さんが、『わたしのきんいろ手帖』のお話のときに(インタビュー1参照)、2020年は個人個人が自分らしさ(本来の自分)を中心にして生きる時代になるとおっしゃっていましたが、星の動きから見てもそういう時代が来ているのかと、身震いしました。

 

服部 そうなんですよね。わたしの実感と星の動きが不思議なくらい一致していて。日めくりカレンダーの巻末には、ふぇみにゃんさんが書いてくださった星の動きの解説を掲載しているので、ぜひ、お使いになる前に目を通して、2020年にはどんな動きがあるのか、チェックしていただくといいのかな、と思います。

 

野田 そうですね。それと、2020年版の日めくりカレンダーでは、水星、金星、火星の逆行の期間やボイドタイムを載せているのですが、それがわたしたちにどんな影響を及ぼすのか、ということも巻末に書かれているので、ぜひ見ていただきたいです!

 

服部 野田さん、実はボイドタイムに抵抗があったんですよね。

 

野田 (笑)。実はそうなんです。ちょっとネガティブなイメージがあったんですよね。

 

服部 ボイドタイムは、月がほかの惑星と関わりをもたない時間で、ものごとが期待通りに進まないことがあるから、重要な決定を避けたほうがいいといわれていて。そう聞くと、人によってはネガティブな印象を受けるかもしれませんが、この時間はいつもと違うやり方をしてみるとか、ちょっと休憩してみようとか、そういう捉え方もできるんですよね。

 

野田 視点を変えるきっかけにする、ということですよね。

 

服部 はい。いろいろうまくいかないな、というときにボイドタイムだと知ったら、納得しやすくなるのでは? と思うんです。なんでも自分のせいにするのも、人のせいにするのも苦しいことですよね。そういう星の流れもあるんだって思うことで救われる場合もあるんじゃないかな、と。ボイドタイムを知っていると、本当に便利なんですよ。

 

◯思い込みを外すということ

 

野田 実は、ボイドタイムや逆行について、ある体験談がありまして……。わたし、今年の春に海外旅行に行ったんですね。でも、不思議なくらいスムーズにいかなくて。仕事の予定がずれて、出発ギリギリまで空港で仕事をすることになるし、旅先では風邪をひくし、最後は帰りの飛行機に乗り遅れるという大トラブルがありまして……。

 

服部 ひえー、本当にそんなことってあるんですね!

 

野田 空港を走り回って、苦手な英語で交渉してチケットを買い直して、どうにかその日のうちに飛行機には乗れたんですが、疲れてうたた寝していたら航空性中耳炎になって耳に激痛が走って……とまあ、さんざんなことになって。それで帰宅して日めくりカレンダーを見てみたら、旅行中はボイドタイムと水星逆行の集中期間みたいになっていたんです。

 

服部 あはは。

 

野田 いや、乗り遅れたのは、完全にわたしの時間の見積もりが甘かっただけなんですけどね。帰国後は、しばらくボイドタイム恐怖症みたいになって、しょっちゅうボイドタイムをチェックして、友人とあそびの計画を立てるときも「この時間はボイドタイムだからやめよう!」とかいっていたんですね。

 

服部 (爆笑)。

 

野田 そうしたら、友人に「ボイドタイムをダメだった自分を責めるために使うのは違うんじゃない?」って指摘されたんです。

 

服部 あ〜、それはわかりますね。ニューヨークの金融関係者の中には、ボイドタイムには会議をしないかたもいる、と聞いたことがありますが、事前にチェックして大事なことを決めるのは避ける、みたいな使い方のほうがいいですよね。とにかく大事なのは、ボイドタイムを「悪」だと思わないことだと思います。野田さんの話を聞いて「災難だったな」とは思うけれど、風邪を引いて毒出しができたとも思うし、飛行機に乗り遅れたけれど、苦難を乗り越えるという体験はできたわけですしね。一見ネガティブに見えることも、実はいいことだったりしますよね。

 

野田 そうですね……。チケットを買い直して乗った飛行機で、ハーゲンダッツのアイスクリームが出てきたんですが、疲れたこころやからだに染み渡って、今まで生きてきた中で一番おいしいハーゲンダッツだなって感じました(笑)。

 

服部 いい話じゃないですか! 最終的には、飛行機に乗れたわけだし。

 

野田 はい、まあ、機内でむちゃくちゃ落ち込んでいたんですけど、隣に座っていらした方が、とてもしゃんとした高齢の男性で。シートも倒さずにピンと背筋を伸ばして座っていて、機内食もきれいに全部食べていらしたんです。わたしはとても機内食を食べる心境じゃなかったんですが、その方につられて食べたら、ちゃんとおいしくて。ちょっと大げさですが、ああ、わたしは生きているんだなと感じました。それだけでもよかったと。

 

服部 なんとなく、野田さんが乗り遅れてその飛行機に乗ったのは必然な気が……!

 

野田 反省すべきことは多々あるけれど、これに懲りて旅行をやめるのではなく、そのおじさまのように余裕のある素敵な旅行者になりたいな、と思えたんですよね。

 

服部 もちろんです! それにひょっとしたら旅の醍醐味って、予定どおりにいかないということの中にもありそうですよね。旅のなかの旅、というか。それにしても、すごくボイドタイムっぽい話だと思いました。その旅を通じて、野田さんは「間違えてもいいよ」っていうのを体験したんじゃないでしょうか。

 

野田 まさしく人生の寄り道的な体験でしたね。

 

服部 野田さんだけでなく、2020年って、「こういうのが正しくて、一番いいんだ」という思い込みが外れるような体験が、たくさん起こる年になるんじゃないかな、って思っているんです。実は乗り遅れるほうが正解だった、みたいな。経済的には大変なことだったかもしれませんが、でもお金以上の経験ができたかもしれないなとも。つい、なんでも経済優先で考えるくせがついてしまっているのですけれども、それ以外の部分もしっかり見て、お金から自由になって全体を見る、とか、想像を超えるようなことが起こっても冷静に対処するとか、どんな状況からも愛を感じとるとか、そういったことがますます重要になっていきそうだなって思っています。

 

野田 そうですね。「頭の中が真っ白になる」っていうことばは知っていたんですけど、こういうことなのかと初めて体験しましたね。空港内をすごい形相で走り回ったり、必死に窓口で交渉したり……そういう極限状態の自分ってなかなか見られないものではありますよね。まあ、そうはいっても、なんとしてでも帰るぞ!と気力を振り絞れたこととか、どんなときでも食事をおいしく食べられる自分を発見できたことは、収穫だったのかもしれません。「このハーゲンダッツは時価◯万円……」って震えながら食べていましたが(笑)。

 

服部 あはは。そのときはテンパって大変だったかもしれないけど、でも、いい経験でしたね! しかも、今後同じことが起こっても、もうあのときほど慌てないのではないでしょうか? こういう体験ができるのってボイドタイムっぽいエピソードだし、これからの時代全体でも、起こることのような気がします。映画『地球交響曲(ガイアシンフォニー) 第三番』でパイロットの女性が「人生とは何かを計画しているときに起こってしまう別のできごとをいう」っていっていたのが印象に残っていて。人生、こうしよう、ああしたいって思うものだけれど、実はそれ以外の部分こそおもしろいし、それこそが人生なのだと思うと、まあ、しっくりきますよね。

 

野田 ボイドタイムを恐れるというよりは、おもしろいと思えるかが大事なんですよね。今日ここでお話ししたことで、わたしもやっとそういえるようになりました(笑)。

 

服部 そこまでの心境になれたことも含めて、すごくいい体験だったのでは。ボイドタイムに限らず、このカレンダー自体が、思い込みなどから「外れる」ことを主眼としているんです。

 

野田 思い込み……そうですね。わたしも「計画通りスムーズに行くことが大事」と思う傾向があります。

 

服部 人はどうしても「正しさ」「正解」「〜であるべき」ということを思いがちですよね。もちろんそれでうまくいくこともあるのかもしれないですけど、そこに囚われすぎてしまうと、「そうでなければしあわせになれない」と思ってしまうんじゃないでしょうか。でも、そこから外れていく自分こそたのしんでほしいし、そのための日めくりカレンダーだと思っているんです。自分の思い込みや凝り固まった自分から解放されるカレンダー。

 

野田 そうでした。2020年のテーマは「ゆるむ」でしたね!

 

服部 日めくりカレンダーをめくってことばを見ることで、もっとゆるんだ自分になって思い込みを外していってほしいんです。その先に次のあたらしい自分=本来の自分を見つけてほしいって願っています。

 

野田 わたしの失敗話をなんだかいい方向にまとめてくださってありがとうございます……!!

 

服部 いやー、本当に飛行機に乗り遅れる人がいるんだ! って思いましたけどね(笑)。

 

野田 わたしもそんな人がいるんだ〜って思っていたら、まさかの自分でした(笑)。まあ、どうしても、計画どおりにいくことを望んでしまいがちなんですけど、そうやって乗り遅れてみて、極限状態の自分と出合うことができて。英語が本当に苦手なのに、なぜか自分の要望を伝えてチケットを買い直せたというミラクルが起きて。何より人に話せるネタができました(笑)。

 

服部 すでにこのカレンダーインタビューのネタになってますしね(笑)。

 

***

 

貴重なインタビュー最終回を、こんな個人的な話で締めくくって恐縮ですが、

服部さんとお話しながら、

ボイドタイムってなんだろう、

日めくりカレンダーで伝えたいことはなんだろう、

ということが見えてきた気がしたので、

おまけとして掲載させていただきます。

 

日々、いろいろなことはあるけれど、

すべてが思いどおりにいくわけではないけれど、

それでも大丈夫な自分であることが、一番大切なことなのかもしれないと

最近、思うようになりました。

 

日めくりカレンダーをめくるのにかかる時間は、ほんの1秒。

でも、その瞬間にめぐりあったことばにインスピレーションを受けて、

 

「最近ちょっと肩に力が入っていたかも」

「自分をもっと認めてあげようかな」

「今日は春の空気を感じてみよう」…etc.

 

自分との対話が習慣になっていくうちに、

1年を通して、何があっても大丈夫な自分になっていくのかもしれません。

自分へと目を向けることは、自分を愛することの第一歩。

365日それを積み重ねてきたことは、きっと自分を支える力になるはずです。

 

2020年も、この日めくりカレンダーとともに。

自分をたっぷり愛してあげてくださいね!

 

 

(野田りえ)