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手帖&カレンダーインタビュー5

 

あっという間に師走!

日めくりカレンダーがいつのまにか薄くなっていて

1年の終わりを意識する、なんてこともありそうですね。

 

365日 日めくりッ ラブ2020カレンダー』『わたしのきんいろ手帖』、

 

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何かと贈り物をする機会も多いこのシーズン、

たいせつな方へのプレゼントにもぴったりです!

 

さて、ずっとお届けしてきた服部みれいインタビュー、

今回からは『365日 日めくりッ ラブ2020カレンダー』についてです。

 

 

***

 

◯美濃柴犬の出産から生まれた表紙イラスト

 

野田 日めくりカレンダー、今回もかわいくなりましたね!! いろいろとあたらしくなったポイントがあるのですが、まずは服部さん自身が描かれた、表紙イラストのお話から伺います。2019年版ではちらっと覗いていた、マーマーマガジン編集部の犬、美濃柴犬のまりもが、今回大フィーチャーされましたね!

 

服部 去年、日めくりカレンダーのデザインをリニューアルしたんですが、そのときに編集部で飼っている犬のまりもと猫のあたりのイラストを表紙に載せさせていただいたんですね。ちょうど今年、まりもが子犬を2匹産みまして。今回、その子たちも描かせていただいています。

 

野田 まりもが子犬たちを出産した直後の写真を見ましたが、とっても神々しかったです。

 

服部 まりもの出産の様子を見ていたんですけど、初産ながら堂々たるものでした。自分で子犬たちのへその緒を噛み切り、羊水をなめ、周囲をまったく汚さずに粛々と出産を終えたんです。

 

野田 自分の母犬の出産を見てやり方を覚えた、というわけでもないんですよね。

 

服部 はい。本能で行うんですね。産後のしつけもすばらしくて。噛むときにこれくらいの強さなら大丈夫、これ以上は痛い、というのを教えておかないと、凶暴な犬になってしまうそうなんです。それをまりもが自ら子犬を噛むことで伝えていて。いや〜、母親ってすごいなって感じましたね。そういったまりもの姿がとっても印象に残っていまして、表紙でもどんっと大きく描かせていただきました。

 

野田 あたらしく生まれた命と、このカレンダーでもテーマにしている「あたらしいわたし」がリンクしているようにも読み取れますね。子犬たちがまりもの真似をして「Hi」っていってるのがかわいくて。

 

服部 そうですね〜。しかも生まれたのが、ちょうど2匹だったんです!

 

野田 2020年のカレンダーだけに!

 

服部 「2」がフィーチャーされていますね……。手帖のインタビュー(インタビュー4参照)で福太郎さんがいっていましたが、「2」は女性性を表す数字でもありますね。

 

野田 これから女性性の時代が来る、というお話でしたね。

 

服部 おもしろい偶然ですね!

 

野田 あたらしいわたしと、あたらしい時代。そんな隠れメッセージが込められていると思うと、表紙にさらに愛着がわきますね。あと、刷り色が変わったことも、新鮮な印象を感じる理由かな、と思いました。2019年版は赤色で元気なイメージでしたが、2020年版はさわやかなライトグリーンが基調で。

 

服部 やわらかくて、軽い印象になりましたよね。この色はデザイナーの中島基文さんがご提案くださったんですけど、2020年からスタートする時代の軽やかさを表していて、見た瞬間に「この色で行こう!」と決まりましたね。

 

野田 しかも、今年から2色刷りになりまして。日曜・祝日の日付などはピンク色にして、かわいいだけでなく、わかりやすさもアップしたと思います!

 

服部 この2色刷りも、先週お話したように定価を2020円にしたおかげで実現できたことなんです。レイアウト全体も変更して、よりカレンダーとして見やすくなりました。

 

野田 そうですね。中島さんに配置を工夫していただいたおかげで、日付や服部さんが手描きした「直筆タイトル」がぱっと目に入るようになりました。

 

服部 去年一度大きくデザインをリニューアルして、縦置きから横置きに変えたのですが、1年間使ってみたことで、さらにこうしたらよりよくなるんじゃないかな、というのが見えてきた感じですね。とってもいい形にブラッシュアップできたと自負しています!

 

◯毎日メッセージを受け取って

 

野田 デザインだけでなく、直筆タイトルの内容も、より工夫していこうということになりまして。メインのことばだけでなく、その日の事柄に関連して、ときどき小さい文字でもコメントを書き込んでいただいて……おかげでたのしいカレンダーになったと思います。

 

服部 わたしのメモ書きのようなものがちょこちょこ入っているので、そちらもぜひ見ていただければ。このカレンダーを使う方と語り合いながら、毎日を進んでいくような雰囲気をつくりたかったんです。からだに不調が出やすい土用のときは「養生タイム!」というメッセージを入れたり。

 

野田 重要な決定などをお休みしたほうがいいボイドタイムのときには、「お昼寝しよっ」って書かれていましたね。服部さんの声が聞こえてきそう(笑)。

 

服部 あはは。よりパーソナルで親密な感じが出ていればいいな、と思います。

 

野田 季節にからめたことばもあるので、そういったことを感じる機会も増えそうですね。ほかに、直筆タイトルを書いているときに意識したことはありますか?

 

服部 『わたしのきんいろ手帖』とも共通することなんですが、やっぱり「ゆるい」「かるい」「たのしい」、そういったことを意識しましたね。これは去年のインタビューでもお話したかと思いますが、リニューアル前の日めくりカレンダーを出先で見かけたときに「なんだか説教くさいな」と感じたことがあって。だから、より自分を自由にするようなことばを載せたいな、という気持ちが強くなっているんだと思います。

 

野田 そうですね、頭で考えるのではなく、もっと感覚的な部分に働きかけるようなことばが増えたかもしれません。でも、補足する文章が入っているので、深い気づきもあって。あとは「愛」をテーマにしたことばが多かった印象があります。

 

服部 これも手帖のインタビューでお話したことですが、今年、プリミ恥部さんの本(「プリミ恥部 あいのことば」エムエム・ブックス=刊)の制作などを通じて「愛で生きる」ということを感じる機会が多かったこともあって、愛をベースにしてこのカレンダーに取り組みました。今までも愛をテーマにしていたけれど、よりいっそう愛を届けたい、と思いながら書いていましたね。

 

野田 わたしは原稿をいただいたときに、あそびごころがパワーアップしているのも感じました。ことわざが続く時期があったり、あるテーマが集中的に書かれている週があったり、緩急があっておもしろいですよね。のびやかな手描き文字だから、よりたのしそうな感じがするんだと思います。

 

服部 リニューアル前の文字とかなり違うから、別人の文字だと思った方もいらっしゃるみたいですが、これもわたしが一文字一文字書いているんですよね。最初のプロットはパソコンで打ち込んでいるんですが、不思議なことに清書するうちにどんどん変化していくんです。自分の中からことばが湧き出てくる瞬間があるというか。手で書いていると、何か引き出される感じはありますね。

 

野田 手を動かしていると、小さいサブメッセージなども浮かびやすくなりそう。よりライブ感が出てくるというか。

 

服部 本当にそうですね。その場で思いついたこともどんどん書いていくことで、生き生きとした雰囲気が出ていたらいいな、と思います。

 

野田 以前、日めくりカレンダーを愛用してくださっている方が、「毎日を支えてもらっています」とおっしゃっていたのが、とても印象的で。毎日目にすることばって、実は大きな影響を与えているんだな、と思って襟を正しました。

 

服部 とくに日めくりカレンダーは、ことばをダイレクトに目にするから、メッセージを受け取るような感覚があるかもしれませんね。2020年以降のかろやかな感覚とか、女性性が高まってくる感覚。愛をつかうということ、自分を大切にする気持ち。そういったものを感じてもらえたらうれしいです。

 

野田 そうですね。日めくりカレンダーはその「日」にフォーカスして、かつ寄り添うような、そんな力があるのかも……。以前、『きんいろのアファメーション帖 BIG』で服部さんが、朝起きたばかりのときは潜在意識にメッセージが入りやすい、と書かれていましたよね。日めくりカレンダーも朝めくることが多いから、目覚めたての自分にことばがすっと届くのかな、と思います。メッセージを受け取るのが毎朝の習慣っていうのもすてきですね。

 

服部 わたしは原稿を書くときにぐっと集中して、その後は忘れてしまうので(笑)、毎日めくるときにどんなことばが出てくるか、読者としてもたのしみなんです。

 

野田 今日はどんなことばが出てくるかな? というワクワク感が日めくりカレンダーの醍醐味ですよね〜。思いもよらないことばから、今悩んでいることのヒントを得たり、ププっと吹き出したり……。ぜひ、読者の方には、毎日のことばとの出合いを味わっていただきたいです。

 

つづく

 

(野田りえ)