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手帖&カレンダーインタビュー2

 

11月23日は、いよいよ

わたしのきんいろ手帖2020

365日 日めくりッ ラブ2020カレンダー

の発売日!

 

先行発売などで、すでに実物をご覧になった方もいらっしゃるでしょうか。

これからご購入される方は、書店などの販売店、

マーマーなブックスアンドソックス」をチェックしてみてくださいね。

 

今週も先週に引き続き、手帖についてのインタビューです。

2020年版の手帖はどんな内容になっているのか、

ちょっと脱線して裏話も交えながらお届けします。

 

***

 

◯手帖の使い方も、ゆるくてOK!

 

野田 2019年版で、手帖のエッセイ部分を一新して、①質問に答える②イメージをふくらませる③願望を宣言する、という3ステップを毎月のワークにすることにしたんですが、2020年版でも毎月その3ステップのワークを載せています。

 

服部 あのワークがとっても好評だったんです。「自分の本心に気づいた」とか、「願いが叶った」という声もたくさんいただいて。ということで、今回もあの形式を踏襲しつつ、内容をパワーアップすることにしたんです。あと、レイアウトを少し見直しましたよね。

 

野田 はい、2019年版は3つのステップそれぞれ、2ページずつスペースをとっていたんですが、2020年版ではそれを見直して質問2ページ、イメージ1ページ、願望1ページに変えました。イメージと願望が1見開きにまとまった感じですね。

 

服部 去年の形式で1年間使ってみて、改良したい点が見えてきて、繊細にレイアウトに反映させて……。

 

野田 はい。この手帖をご愛用してくださっている方にアンケートをとったとき、一番多かったご要望が、巻末の自由記入欄を増やしてほしい、ということだったんですよね。今回、毎月のワークのレイアウトを変更したことで、それが実現できました。

 

服部 あと、イメージ2ページ、願望2ページだと、そこまで書くことが浮かばないからプレッシャーに感じてしまう、という方もいらっしゃって。

 

野田 アンケートをとってみると、たとえばイメージが描けない方もいればイメージを描くのがたのしい、という方もいて。そこは個性が出る部分なのかな、と感じました。だから各1ページという決められたスペースにとらわれず、自分がそのとき書きたいことをメインにしてみてもいいかもしれませんね。

 

服部 わたしも著者ではありますが、テーマによってはあまりたくさん書かない月もありますし、空いているスペースは取材メモに使ってしまうこともあります(笑)。

 

野田 手帖だから、ふつうにメモで使うのもアリです! わたしも担当編集ではありますが、使い方どおりに使えなくても、あまり気に病まないようにしています。

 

服部 その月にできなくても、別の月に再トライしてもいいですしね。ワークにしっかり取り組めないというときは、質問を読んでもらうだけでもいいかも。そのテーマにコミットすること自体が大事ですから。

 

野田 もちろん、毎月ワークをたのしんでやっていただけたらうれしいな、という気持ちでつくっています。でも、みなさんお忙しいときもあるでしょうし、その月にそのテーマがピンとこないこともあるかもしれませんよね。

 

服部 そういうときは後でもう一度見てみよう、というスタンスでも充分だと思うんです。一度でもそのテーマを意識したことで、何かこころに残るものはあるはずですから。罪悪感は持たずに、リラックスして、たのしみながら使っていただきたいですね。

 

◯愛することは、「ゆるむ」こと

 

野田 わたしはいつも、服部さんから毎月のテーマの原稿いただいて読むのがたのしみなんですが、今回は例年よりもさらに「愛」にコミットしているのを感じました。折に触れて繰り返し強化している印象が残りました。

 

服部 今年、白井剛史(プリミ恥部)さんの『プリミ恥部 あいのことば』(エムエム・ブックス)という本をつくらせていただいたことに影響を受けていると思います。プリミ恥部さんの「気をつかわず、愛をつかう」ということばが、本当に衝撃だったんです。これは先週のインタビューでお話した内容ともつながってくるんですが、2020年は、まさに、気を使うのではなく、自分への愛を中心にして生きるとスムーズになると思うんですね。

 

野田 先週、2020年はひとり暮らしのようなイメージ、とおっしゃっていましたよね。

 

服部 そうなんです。誰にも気兼ねなく、自分を愛して、リラックスして生きる時代が来ると考えたときに、毎月のワークを通して、自分への愛を強化してもらえたらいいな、と思ったんです。だからおのずと愛をテーマにしたワークが多くなっているんだと思います。

 

野田 自分に愛を向ける習慣がないと、そんなにわがままに生きていいのかな、みたいなことを考えてしまう方もいるのかな、と思うのですが。

 

服部 まず、自分を愛して生きる・たいせつにして生きるというのと、わがまま勝手に生きる、というのは、ちょっと違うかもしれないですね。自分を愛しているって、自分に嘘をついていない状態というか。でも、自分に嘘をつかずに、まわりとも調和する方法はある、ということが、『プリミ恥部 あいのことば』をつくりながらわかっていった感じです。あと、自分に愛を向けていない人が、ほかの人に真の意味で愛するのは難しいと思うんです。自分をしっかりリスペクトできていれば、人のこともリスペクトできるはず。逆に、自分をどこかないがしろにしていると、外でもじつは、齟齬がでてくるきがします。

 

野田 なんだかすごく思いあたることが……。今回の手帖の制作期間に、ほかの仕事が重なってとても忙しい時期があって、付録編で、みれいさんからこういうコーナーをつくりたい、と提案されていたのに、どうしても手をつけられない箇所があったんですね。そのことにすごく罪悪感があって、3週間くらいずっといい出せなくて。睡眠時間を削ってほかの仕事を片づけようとしても終わらず、不安だから一度寝てもすぐに起きてしまったり。そうこうするうちに頭痛や耳鳴りも起こるようになって、やっと服部さんにカミングアウトしたら……なんと、あっさり許していただけたんですね。

 

服部 ええ〜、あのときそんなひどい状態だったんですか!? 知らなかった。

 

野田 そのとき服部さんに「よくいってくださいました。逆に、あのコーナーはうまくいかなそうだから、やめてもいいかもと思っていたんです」といっていただいたんですよね。わたしはお叱りを受けても当然だと緊張していたので、「あれ?」となって。それで、自分を一番許せなかったのは自分だったんだな、ってことに気づいたんです。

 

服部 許すも何も、一緒に働いているスタッフさんにもたのしく働いてもらわないと、それがつくったものに表れてしまうと思っているんです。もちろん仕事って、ちょっと大変なときや乗り越えなくてはいけないときもあります。でも、本って、(ほかのものもそうかもしれませんが)つくる行程で関わった人の意識がより色濃く入るような気がしていて。野田さんが「もう無理〜」って泣きながらつくったものって、どこかしんどい印象になると思うんです。

 

野田 あのコーナーにご協力いただいた方もいたので、ものすごくこころ苦しかったんですが、結果的に、ブックガイドを充実させることができたりしたので、いい方向に挽回できたと思っています。

 

服部 はい! ひとりで抱え込まずに相談していただいたら、今回みたいに別のアイデアだって浮かぶわけだし。

 

野田 今思うとそうなんですよね。でもそのときの自分は、自分を許せないから相談もできないし、その結果進行が滞るという悪循環を起こしていて。「自分を大切すると、自然にものごともうまくいく」というのは、この手帖で繰り返しお伝えしているテーマなんですが、自分で制作しながらそれをリアルタイムに体験するという……。これが気づきか…! と思いましたね(笑)。

 

服部 臨場感ありますね(笑)。でも、そういうふうにいっていただけるとありがたいです。本当に、気をつかわないで、愛をつかったほうが、スムーズですよね! 時短だし。

 

野田 相談する前は、頭が興奮していたせいか、寝つきも悪かったんですけど、服部さんに許していただいた瞬間、どっと眠気が押し寄せてきて。わたし、「ゆるす」と「ゆるむ」ってつながっているんだな、と思ったんです。その結果、風通しがよくなって企画自体もいいものになったのかな、と。

 

服部 もちろん、あのコーナーはあったらあったでよかったとは思うんですけど、そこに載せようとしていた情報が、2020年、なにか、ガラっと変わっていく予感がしたんです。今はすごく変化が激しい時代だから。そういうわけで野田さんに時間が足りなくてできないっていわれたときに、すぐに「あ、これは、そのページは必要ないんだ。すごくいいことが起こっている」って思いました。

 

野田 そんな展開が待っているなんて、悩んでいるときには全然思えなかったんですよね。「できない人」と思われるのが怖くて、視野がガチガチに狭くなっていたんだと思います。

 

服部 みんな自分に厳しすぎだと思います。その結果、周囲も苦しくなってしまう。年々そういった原因と結果のサイクルが早まっていて、前はふわっとボールを投げたら、ゆっくりボールが帰ってくる感じだったんですけど、今はボールを投げたら速攻跳ね返ってくる気がしています。だったら義務感や罪悪感ではなく、愛を投げるのが一番いいのではないでしょうか。まずは、自分を愛することからはじめてみていただきたいですね。

 

つづく。

 

(野田りえ)